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ブラシノステロイドシグナル伝達経路
Brassinosteroid Signaling Pathway
Sci. STKE, 5 December 2006 Vol. 2006, Issue 364, p. cm4
[DOI: 10.1126/stke.3642006cm4]
Youssef Belkhadir, Xuelu Wang, and Joanne Chory*
Howard Hughes Medical Institute, Plant Biology Laboratory, The Salk Institute, 10010 N. Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA.*Corresponding author. E-mail, chory@salk.edu
要約 植物の成長は、ホルモンシグナル伝達経路の複雑なネットワークによって調節されている。これらの低分子ホルモンは、細胞の成長や分裂と関連し、発生過程で変化する遺伝子の発現を変化させる。奇妙なことに、これらのホルモンのうち6つはほとんどの機能が重複しているように見えるにもかかわらず、どれか1つのホルモンに対する応答が消失すると、別の植物ホルモンの作用では埋め合わせできない。このようなホルモンの一種が、植物のポリヒドロキシ化ステロイドホルモンであるブラシノステロイド(BR)である。BRシグナル伝達について明らかになりつつある実態は、一般的に核内受容体スーパーファミリーのメンバーによる作用が関与している動物のステロイドシグナル伝達のパラダイムとは根本的に異なる。BRは、小さなファミリーを形成するロイシンリッチリピート型受容体キナーゼの細胞外ドメインに結合し、何百もの遺伝子の発現を調節する細胞内シグナル伝達カスケードを活性化させる。このシグナル伝達経路には、細胞表面の受容体複合体、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3、kelch含有セリン/スレオニンホスファターゼ、そして塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックスとMyc様の植物特異的転写因子からなる新たなファミリーが関与する。受容体と各シグナル伝達成分がシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)で同定され、その配列に関する知識から、コメ、トマト、オオムギ、エンドウマメのオルソログが同定された。
Y. Belkhadir, X. Wang, J. Chory, Brassinosteroid Signaling Pathway. Sci. STKE 2006, cm4 (2006).