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神経科学
過剰に活動するニューロンにおけるゴルジ体の断片化
Neuroscience
Golgi Fragmentation in Hyperactive Neurons
Sci. Signal., 29 January 2013
Vol. 6, Issue 260, p. ec25
[DOI: 10.1126/scisignal.2003999]
Nancy R. Gough
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
D. A. Thayer, Y. N. Jan, L. Y. Jan, Increased neuronal activity fragments the Golgi complex. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 1482-1487 (2013). [Abstract] [Full Text]
ゴルジ体の断片化は、いくつかの神経変性疾患で観察される。ゴルジ体は、シナプスに局在するタンパク質など、細胞表面タンパク質や分泌タンパク質の輸送および翻訳後プロセシングにおいて重要な機能を果たす。Thayerらは、培養海馬ニューロン内のゴルジ体マーカーの免疫蛍光を追跡することによって、興奮性亢進(培地中のカリウムイオン濃度の上昇による脱分極)または活性亢進(ビククリン添加によるGABAシグナル伝達の抑制、またはグルタミン酸受容体アンタゴニストAPVの除去)を生じさせる条件下でゴルジ体の断片化が引き起こされ、ニューロンを通常培地に戻すと断片化が解消することを観察した。テトロドトキシンを用いて活動電位を遮断する実験によって、ゴルジ体の断片化にはシナプス活性が必要であることが示された。KN-93でカルシウム-カルモジュリンキナーゼを阻害すると、ビククリンによって誘導されるゴルジ体の断片化が阻止され、オカダ酸でプロテインホスファターゼPP2AおよびPP1を阻害すると、ニューロンの活性亢進を伴わずにゴルジ体の断片化が引き起こされた。このようなゴルジ体の断片化の機能的または病理学的な重要性はまだ確立されていないが、今回の結果は、ニューロンの活性がゴルジ体へのシグナルとして機能することを示している。
N. R. Gough, Golgi Fragmentation in Hyperactive Neurons. Sci. Signal. 6, ec25 (2013).