発生
組織修復工学

Development
Engineering Tissue Repair

Editor's Choice

Sci. Signal., 25 February 2014
Vol. 7, Issue 314, p. ec53
[DOI: 10.1126/scisignal.2005206]

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

M. M. Martino, P. S. Briquez, E. Güç, F. Tortelli, W. W. Kilarski, S. Metzger, J. J. Rice, G. A. Kuhn, R. Müller, M. A. Swartz, J. A. Hubbell, Growth factors engineered for super-affinity to the extracellular matrix enhance tissue healing. Science 343, 885–888 (2014). [Abstract] [Full Text]

成長因子は組織の発生および修復を指揮し、これらリガンドの活性はしばしば、細胞外マトリックス(ECM)構成要素との相互作用によって調節される。成長因子は、再生医療に利用できる潜在能力があるが、修復を促進するには大量の可溶性成長因子が必要である。Martinoらは、ECMと強く相互作用するように成長因子を改変し、その改変タンパク質が野生型タンパク質よりもよく組織修復を促進することを示した。胎盤増殖因子-2のヘパリン結合モチーフ(PlGF-2123-144)は、in vitroでPlGF-2のECMタンパク質であるフィブロネクチン、フィブリノーゲン、テネイシン、ビトロネクチン、オステオポンチンへの高親和性結合を媒介した。著者らは、血管内皮成長因子A(VEGF-A)のヘパリン結合モチーフをPlGF-2123-144に置き換え、またPlGF-2123-144を血小板由来成長因子-BB(PDGF-BB)および骨形成タンパク質2(BMP-2)のC末端に融合させた。これらの改変成長因子(VEGF-A/PlGF-2123-144、PDGF-BB/PlGF-2123-144およびBMP-2/ PlGF-2123-144)は、細胞培養アッセイで活性をもち、in vitroでECMタンパク質との高親和性結合を示した。げっ歯類骨修復および創傷治癒試験では、ECMとの高親和性結合を示すこれらの改変成長因子は低濃度で、同濃度の野生型成長因子よりも効果的に治癒を促進した。さらに、VEGF-A/PlGF-2123-144はin vivo血管透過性アッセイにおいて野生型VEGF-Aよりもかなり漏出を減らした。これらおよび他の類似改変成長因子の標的デリバリーは、治癒や組織修復を促進するのに成長因子を用いるという展望を向上させるだろう。

A. M. VanHook, Engineering Tissue Repair. Sci. Signal. 7, ec53 (2014).

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