神経科学
共感を理解する

NEUROSCIENCE
Understanding empathy

Editor's Choice

Sci. Signal. 20 Oct 2015:
Vol. 8, Issue 399, pp. ec296
DOI: 10.1126/scisignal.aad6519

Nancy R. Gough

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

M. Rütgen, E.-M. Seidel, G. Silani, I. Riečanský, A. Hummer, C. Windischberger, P. Petrovic, C. Lamm, Placebo analgesia and its opioidergic regulation suggest that empathy for pain is grounded in self pain. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 112, E5638–E5646 (2015). [PubMed]

機能的核磁気共鳴画像(fMRI)から、疼痛を感じている他者に共感している人は、疼痛によって引き起こされる感情に関与している脳領域と類似する領域が活性化されていることが示された。しかし、これらのタイプの研究は、同一の神経経路が関与しているかどうかを決定するのに十分な解像度を有していない。Rütgenらは、プラセボ鎮痛と呼ばれるプラセボが誘導する疼痛軽減を疼痛モデルとして用いた。著者らはまず、プラセボ投与がプラセボ鎮痛と、被験者の自己報告で決定される共感性疼痛の有意な低下の両方を生じることを確認した。その後、標的fMRI分析を実施し、プラセボ鎮痛に関与している3領域のうち2つは、プラセボに応答して共感性疼痛の軽減を経験している人についても、活動低下を示すことを見出した。プラセボと共に、オピオイド受容体拮抗薬naltrexoneを投与すると、自己決定的疼痛および他者志向性(共感的)疼痛の認知、ならびに他者志向性疼痛に伴う不快感が増加した。これらのデータから、疼痛共感には、内因性オピオイドを通してシグナル伝達する神経経路の活動が関与しており、これらの経路は、われわれが直接経験する疼痛により活性化される経路と類似していることが示唆される。

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2015年10月20日号

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