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紫外線が遺伝子の二重機能性を誘導する

UV radiation induces a gene’s dual functionality

Editor's Choice

Sci. Signal. 07 Mar 2017:
Vol. 10, Issue 469,
DOI: 10.1126/scisignal.aan0919

Alexandra A. Mushegian

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

L. Williamson, M. Saponaro, S. Boeing, P. East, R. Mitter, T. Kantidakis, G. P. Kelly, A. Lobley, J. Walker, B.Spencer-Dene, M. Howell, A. Stewart, J. Q. Svejstrup, UV irradiation induces a non-coding RNA that functionally opposes the protein encoded by the same gene. Cell 168, 843–855 (2017).  OpenUrl  Google Scholar

A. Szempruch, M. Guttman, Linking protein and RNA function within the same gene. Cell 168, 753–755(2017).pmid:28235192  OpenUrl  CrossRef  PubMed  Google Scholar

同一遺伝子にコードされているタンパク質と非コードRNAは、紫外線による損傷への応答において反対の役割を担っている。

要約
同一ヌクレオチド配列のなかには、制御RNAと機能性タンパク質の両方を産生するものがある。そして同一配列から産生されるタンパク質とRNAは、互いに関連する役割を担っていることも多い。Williamsonらは、紫外線損傷によって産生されるASCC3転写産物のアイソフォームが、長鎖非コードRNAとして機能し、多くの遺伝子の紫外線に対する応答を調節する転写因子ASCC3を制御することを見出した。培養ヒト線維芽細胞を紫外線で処理すると、転写伸長の停止がゲノムワイドに引き起こされ、選択的最終エクソンを伴うものなど、RNAの短縮型アイソフォームが高頻度で生じた。紫外線によって誘発されるそのような選択的短縮型アイソフォームのうちの1つは、ASCC3遺伝子から生じたものだった。完全長のASCC3転写産物は、紫外線曝露に対する細胞応答の最終段階でグローバルな転写開始抑制因子として作用するタンパク質を産生した。一方で、このASCC3の短縮型アイソフォームは転写の回復に必要であった。短縮型アイソフォームのタンパク質コード部分を異所的に発現させても、そのような機能は再現されなかったが、一切のタンパク質産生を阻害する未熟終止コドンを持たせた短縮型アイソフォームの変異体は、転写の回復に機能したことから、この短縮型アイソフォームは非コードRNAとしての制御機能を有することが示唆される。この研究は、二重機能性遺伝子がタンパク質と長鎖非コード制御RNAの両方を産生することによって環境信号に対する複数の応答を統合している可能性があることを示している。また、Williamsonらは同一遺伝子から産生されるタンパク質と非コードRNAが反対の機能を有することを見出した。この結果は、転写を機能の代理として使用することには慎重になるべきであることを示している。同一遺伝子内にタンパク質と非コードRNAがコードされていることの利点としてどのようなことが考えられるかについては、SzempruchとGuttmanが考察している。

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