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脳がんの検出と治療
Detecting and treating brain cancer
Sci. Signal. 13 Jun 2017:
Vol. 10, Issue 483, eaao0437
DOI: 10.1126/scisignal.aao0437
Leslie K. Ferrarelli
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
D. Ghosh, C. C. Funk, J. Caballero, N. Shah, K. Rouleau, J. C. Earls, L. Soroceanu, G. Foltz, C. S. Cobbs, N. D. Price, L. Hood, A cell-surface membrane protein signature for glioblastoma. Cell Syst. 4, 516-529(2017).
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システム生物学的手法を用いて神経膠芽腫患者の血漿バイオマーカーと治療標的候補を同定する。
要約
神経膠芽腫(GBM)は侵襲性の脳腫瘍であり、治療選択肢も、検出の助けとなる分子マーカーもほとんどない。Ghoshらは、患者のデータセットから得られた細胞表面のプロテオミクスデータとトランスクリプトミクスデータを統合し、33の細胞表面膜タンパク質で構成されるGBMの分子署名(GBMSigと呼ぶ)を同定した。GBMSigタンパク質の約半数は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)シグナル伝達経路と関連する。GBM細胞株でこれらのタンパク質の一部をノックダウンさせると、培養中の侵襲的挙動が損なわれた。患者と健常ボランティアから採取した血液中のタンパク質を評価したところ、GBM患者では、健常ボランティアに比べてGBMSigタンパク質の一部(CD44、VCAM1、HMOX1、BIGH3)の血漿中濃度が高いことが明らかになった。また、患者では、腫瘍切除後にVCAM1を除くすべてのタンパク質の血漿中濃度が減少した。このように、システム生物学的に作成されたGBMSigによって、有用な非侵襲性の臨床バイオマーカーだけでなく、治療標的候補も示される。