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マクロファージは食べられるより多くを取らない

Macrophages don’t take more than they can eat

Editor's Choice

Sci. Signal. 20 Jun 2017:
Vol. 10, Issue 484, eaao1183
DOI: 10.1126/scisignal.aao1183

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

C. -O. Wong, S. Gregory, H. Hu, Y. Chao, V. E. Sepúlveda, Y. He, D. Li-Kroeger, W. E. Goldman, H. J. Bellen,K. Venkatachalam, Lysosomal degradation is required for sustained phagocytosis of bacteria by macrophages. Cell Host Microbe 21, 719-730.e6 (2017). Google Scholar

A. J. Monahan, N. Silverman, Relish the thought and channel your chloride, for bacterial clearance depends on it. Cell Host Microbe 21, 657-659 (2017). Google Scholar

自然免疫シグナル伝達は、マクロファージが細菌を貪食する速度をフィードフォワード制御する。

要約
マクロファージは、細胞外の細菌をファゴソームに取り込み、最初にエンドソームと、続いて酸性リソソームと融合させ、リソソーム内で細菌の積荷を分解することによって、感染から体を保護する。これらの細胞内小器官にCa2+が蓄積し、その後放出されてエンドソーム-リソソーム融合を推進するためには、エンドソーム内の適切な濃度の陰イオンが必要である(MonahanとSilvermanも参照)。Wongらは、哺乳類の後期エンドソーム-リソソームCl-トランスポーターCLCN7に相同な、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のCl- チャネルClC-bが、ハエの体腔に注入された非病原性細菌を排除するために、マクロファージにおいて特異的に必要であることを見出した。ClC-b を欠損したマクロファージは、細菌を取り込んだが、野生型ハエのマクロファージと比べて細菌の分解が遅かった。エンドソームからのCa2+ 放出に必要なエンドリソソームの陽イオンチャネルTRMPLも、適切な細菌排除に必要であった。ClC-bと、リソソームによる細菌の分解は、核内因子κB(NF-κB)のショウジョウバエ相同体であるRelishが、マクロファージ細胞質においてパターン認識受容体PGRP-LEによって活性化されるために必要であった。ClC-bを過剰発現させても、Relishのノックダウンに起因する細菌排除の低下は克服されなかったが、PGRP-LEを活性化させると克服されたことから、Relishの活性化が、細菌の取り込みと分解を促進することが示された。これらの結果から、パターン認識受容体やNF-κBを活性化させるリガンドを生成する、リソソーム経路を介するフラックスが、持続的な細菌貪食に必要であることが示唆される。培養マウスRAW264.7細胞(マクロファージ細胞株)での実験により、この機構は保存されている可能性が高いことが示された。貪食速度がリソソームのフラックスと共役することにより、マクロファージが分解できるよりも多くの細菌を取り込まないようになっていると考えられる。

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2017年6月20日号

Editor's Choice

マクロファージは食べられるより多くを取らない

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