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CAFが免疫療法を複雑にしている

CAFs complicate immunotherapy

Editor's Choice

Sci. Signal. 28 Nov 2017:
Vol. 10, Issue 507, eaar5583
DOI: 10.1126/scisignal.aar5583

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

V. Kumar, L. Donthireddy, D. Marvel, T. Condamine, F. Wang, S. Lavilla-Alonso, A. Hashimoto, P. Vonteddu, R.Behera, M. A. Goins, C. Mulligan, B. Nam, N. Hockstein, F. Denstman, S. Shakamuri, D. W. Speicher, A. T.Weeraratna, T. Chao, R. H. Vonderheide, L. R. Languino, P. Ordentlich, Q. Liu, X. Xu, A. Lo, E. Puré, C. Zhang, A.Loboda, M. A. Sepulveda, L. A. Snyder, D. I. Gabrilovich, Cancer-associated fibroblasts neutralize the anti-tumor effect of CSF1 receptor blockade by inducing PMN-MDSC infiltration of tumors. Cancer Cell 32, 654-668.e5 (2017). Google Scholar

T. F. Greten, Does CSF1R blockade turn into friendly fire? Cancer Cell 32, 546-547 (2017). Google Scholar

抗CSF1R免疫療法はある種の抑制性免疫細胞を効果的に阻害するが、がん関連線維芽細胞を通じて別の種を増加させる。

要約
がんの発生に関するわれわれの理解は、腫瘍中心の視点から、高度に複雑で、クロストークして広がり続ける多細胞性の病理の1つという視点へと進んできた。治療戦略も同様に進化を始めている。たとえば免疫療法は、腫瘍および特定の免疫細胞集団から生じる免疫抑制性のシグナルを遮断し、細胞傷害性およびエフェクターT細胞の活性を増強することを目的としている。この戦略は極めて有望であるため、臨床試験が速やかに開始されたが、多くの試験は患者において期待されるベネフィットを示すことができなかった。Kumarらは、なぜ、サイトカイン受容体CSF1Rを遮断する薬剤が最終的に抗腫瘍免疫を刺激できなかったかについて、潜在的理由の1つを発見した(Gretenによるプレビュー参照)。CSF1は腫瘍から分泌され、造血幹細胞からマクロファージへの分化を促進する。したがって、低分子阻害剤であるJNJ-40346527によるCSF1Rの遮断は、予想どおり、各種腫瘍のマウスモデルにおける腫瘍関連マクロファージ数を減少させた。しかし同様に、がん関連線維芽細胞(CAF)によるケモカインCXCL1の生成および分泌を予想外に亢進し、これは腫瘍微小環境において多形核骨髄由来サプレッサー細胞(PMN-MDSC)の動員および蓄積を刺激した。CAFにはCSF1受容体も存在しており、CSF1は、CAFにおけるヒストン脱アセチル化酵素を介したCxcl1 の発現抑制を促進した。CSF1R阻害剤とCXCL1受容体(CXCR2)阻害剤を併用することで、腫瘍微小環境中のTAMおよびPMN-MDSCの両方の数が減少し、マウスにおける腫瘍増殖が著明に低下した。免疫細胞チェックポイント阻害剤(抗PD1)を加えることで、腫瘍増殖が1ヵ月にわたり阻止された。これらの所見は、腫瘍微小環境がいかに複雑で相互接続しているか、また、患者に最も有効な戦略を開発するための、いわゆる標的薬の広範な作用および間接的な影響を把握するために、なぜ十分な非臨床試験が必要なのかを示す、良い例である。

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Orai1の膜貫通ヘリックスの結合性がカルシウム依存性の転写に必要な2つのゲートを調節する

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Arabidopsis ATXR2はLBD遺伝子のプロモーターにH3K36me3を蓄積させ、細胞脱分化を促進する

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