代謝に死を宣告される

Condemned by metabolism

Editor's Choice

Sci. Signal. 20 Feb 2018:
Vol. 11, Issue 518, eaat3384
DOI: 10.1126/scisignal.aat3384

Wei Wong

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

Z. Yang, Y. Wang, Y. Zhang, X. He, C.-Q. Zhong, H. Ni, X. Chen, Y. Liang, J. Wu, S. Zhao, D. Zhou, J. Han, RIP3 targets pyruvate dehydrogenase complex to increase aerobic respiration in TNF-induced necroptosis. Nat. Cell Biol. 20,186-197 (2018). Google Scholar

キナーゼRIP3は好気性のフラックスを増加させて活性酸素種を産生し、活性酸素種はネクロソーム形成とネクロトーシスを増強する。

要約

細胞膜の破綻を特徴とするプログラムされた形の細胞死であるネクロトーシスにおいては、炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子-α(TNF-α)が、ネクロソームの形成を引き起こす。このタンパク質複合体はキナーゼRIP3の活性化を可能にし、RIP3はタンパク質MLKLをリン酸化する。リン酸化MLKLはオリゴマー化して、細胞膜を破壊する。Yangらは、活性酸素種(ROS)がネクロソームの会合を増強すること、また、ミトコンドリアのROSは好気性呼吸時に産生されることに注目し、好気性呼吸とネクロトーシスの関係を検討した。TNF-αへの曝露により、さまざまな細胞種において好気性呼吸[酸素消費速度(OCR)により評価]とROS産生が増加した。3つの酵素で構成されるビルビン酸脱水素酵素複合体(PDC)は、ピルビン酸(解糖によって生成される)をアセチル-CoA(好気性呼吸によって代謝される)に変換する。PDCの酵素が欠損すると、TNF-α誘導性のネクロトーシスは減少した。TNF-α曝露により、RIP3のMLKL依存的なミトコンドリアへの局在が誘導され、RIP3とPDC複合体構成成分の相互作用が促進された。RIP3はThr135でE3成分をリン酸化し、このリン酸化事象は、TNF-αによって誘導されるOCR上昇に不可欠であった。これらの結果は、ネクロトーシスに必要なタンパク質複合体の形成を支持する、フィードフォワード経路を説明している。

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2018年2月20日号

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