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生殖生物学
骨が男性の生殖能力を促進する

Reproductive Biology
Bones Promote Male Fertility

Editor's Choice

Sci. Signal., 8 March 2011
Vol. 4, Issue 163, p. ec64
[DOI: 10.1126/scisignal.4163ec64]

L. Bryan Ray

ScienceScience Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

女性では、生殖系と骨の生理の相互作用はよく知られており、加齢による性ステロイドホルモンエストロゲンの喪失は骨量減少や骨粗鬆症の要因となる。Ouryらは、もう一方、この場合は男性に特異的な調節として、骨細胞で産生されるペプチドホルモンのオステオカルシンが精巣におけるステロイドホルモンであるテストステロンの産生を制御することについて報告している。オステオカルシン欠損ノックアウトマウスは精巣が小さく、血中テストステロン濃度が低く、生殖機能が減退していた。精巣のライディッヒ細胞において、オステオカルシンはテストステロン生合成および精子形成に関わる遺伝子の発現を亢進させ、幹細胞のアポトーシスを間接的に抑制した。オステオカルシンは、ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役型受容体によって活性化されるシグナル伝達に特有のイベントを誘発する。Ouryらは、このような受容体の1つであるGprc6aがライディッヒ細胞に特異的に発現していることを示した。オステオカルシンの結合が直接示されたわけではないが、ライディッヒ細胞におけるGprc6aの発現を低下させたマウスは、オステオカルシン欠損マウスと同様の精巣機能障害を示した。このように、肝臓β細胞や脂肪細胞に対する作用を介しても代謝を調節するオステオカルシンは、エネルギー代謝、骨リモデリングおよび生殖機能の統合において重要な生理学的役割を果たしていると考えられる。SmithとSaundersがコメントする。

F. Oury, G. Sumara, O. Sumara, M. Ferron, H. Chang, C. E. Smith, L. Hermo, S. Suarez, B. L. Roth, P. Ducy, G. Karsenty, Endocrine regulation of male fertility by the skeleton. Cell 144, 796-809 (2011).[PubMed]

L. B. Smith, P. T. K. Saunders, The skeleton: The new controller of male fertility? Cell 144, 642-643 (2011). [Online Journal] 

L. B. Ray, Bones Promote Male Fertility. Sci. Signal. 4, ec64 (2011).

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2011年3月8日号

Editor's Choice

生殖生物学
骨が男性の生殖能力を促進する

Research Article

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Perspectives

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