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特集:有糸分裂キナーゼのダンスに振り付けをする
Focus Issue: Choreographing the Dance of the Mitotic Kinases
Sci. Signal., 28 June 2011
Vol. 4, Issue 179, p. eg5
[DOI: 10.1126/scisignal.2002280]
Nancy R. Gough*
Editor, Science Signaling, AAAS, 1200 New York Avenue, NW, Washington, DC 20005, USA.
* Corresponding author. E-mail, ngough@aaas.org
要約:有糸分裂期で停止した哺乳動物細胞または酵母細胞のリン酸化プロテオーム解析によって、リン酸化がこの過程に寄与する仕組みについて包括的な見解が得られ、本号で取り上げた研究では、細胞分裂のこの複雑な過程に、これまで認識されていなかったプレーヤーが関連することが示されている。基質選択性と、特異的キナーゼの標的となるモチーフの解析によって、細胞は正と負の部位選択と空間的な分離を組み合わせて、有糸分裂に関与する複数のキナーゼが適切な標的を見つけられるようにすることが、示唆されている。これらのキナーゼは、その活性の変化によって無制御な細胞増殖を引き起こす可能性があるので、また細胞分裂の調節に重要な役割を担うので、抗がん治療薬の標的となる。本号で取り上げた研究は、今後の研究のための豊富なデータを提供するだけでなく、無制御な細胞増殖の抑制を目的とした新たな治療法の開発につながる可能性もある。
N. R. Gough, Focus Issue: Choreographing the Dance of the Mitotic Kinases. Sci. Signal. 4, eg5 (2011).