NF-κBの暗号を解読する

Cracking the NF-κB Code

Perspectives

Sci. Signal., 18 February 2014
Vol. 7, Issue 313, p. pe5
[DOI: 10.1126/scisignal.2005108]

Karen E. Tkach, Jennifer E. Oyler, and Grégoire Altan-Bonnet*

ImmunoDynamics Group, Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY 10065, USA.

* Corresponding author. E-mail: altanbog@mskcc.org

要約

シグナル伝達と遺伝子発現の間のフィードバックループの発見は、細胞制御の新たな定量モデルの到来を告げている。最近発行されたScience Signalingにおいて、Sungらは、核因子κB(NF-κB)シグナル伝達下流のポジティブフィードバックが、病原体関連分子刺激用量に応じて抗菌応答を増減するマクロファージの能力を亢進させることを示した。この結果は、細胞間多様性解析およびシグナル伝達と転写応答の時間的統合のコンピュータモデリングから得られた。最終的に、そのような定量的アプローチは、“速い”シグナル伝達の後に“遅い”遺伝子発現が続くという、しばしば当然と思われている時間的分離に異議を唱えるものであり、長時間にわたる複雑な生物学的制御の理解を深めるものである。

K. E. Tkach, J. E. Oyler, G. Altan-Bonnet, Cracking the NF-κB Code. Sci. Signal. 7, pe5 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年2月18日号

Editor's Choice

構造生物学
ナトリウム不在下での偏向

Research Article

骨髄系細胞の腫瘍誘導性STAT3シグナル伝達はPKCβIIの存在量を減らすことにより樹状細胞発生を損なう

アダプタータンパク質p66ShcはmTOR依存性の同化代謝を阻害する

Perspectives

NF-κBの暗号を解読する

最新のPerspectives記事

2017年7月4日号

発見から25年強が過ぎたAKTに関する展望

2016年10月18日号

WNKキナーゼに固有の構造的特徴を活用して治療的阻害を達成する

2016年4月26日号

Ca2+透過性AMPA受容体、キナーゼPKAおよびホスファターゼPP2BはシナプスのLTPおよびLTDにおいてどのような結び付きがあるか

2016年4月5日号

IP3受容体:4つのIP3でチャネルを開く

2015年11月3日号

発がん性PI3Kαが乳房上皮細胞の多能性を促進する