• ホーム
  • 構造的シグナル伝達の1年:mTORは選りすぐりのPIKK?

構造的シグナル伝達の1年:mTORは選りすぐりのPIKK?

A Year in Structural Signaling: mTOR—The PIKK of the Bunch?

Perspectives

Sci. Signal., 4 March 2014
Vol. 7, Issue 315, p. pe6
[DOI: 10.1126/scisignal.2005174]

Stephen J. Smerdon*

Division of Molecular Structure, Medical Research Council National Institute for Medical Research, The Ridgeway, London NW7 1AA, UK.

E-mail: stephen.smerdon@nimr.mrc.ac.uk

ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ様プロテインキナーゼ(PIKK)は多くの重要な細胞シグナル伝達プロセスに働く、非定型の高分子量セリン-トレオニンキナーゼである。この存在は際立っていたものの、その構築と相互作用の複雑性のため、PIKKの高分解能結晶解析は長らく行われないでいた。最近、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)カルボキシ末端の大フラグメントのヌクレオチドおよび阻害剤結合複合体が、近原子分解能で構造解析されたことで、これら魅力的な分子の広範なシグナル伝達機能に関するわれわれの理解が一変され、糖尿病からがんに至る幅広いヒト疾患に対する薬物設計への取り組みに、情報がもたらされた。

S. J. Smerdon, A Year in Structural Signaling: mTOR—The PIKK of the Bunch? Sci. Signal. 7, pe6 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年3月4日号

Editor's Choice

がん
NF-κBの融合による脳腫瘍

Research Article

KCNQ1、KCNE2、およびNa+共役型溶質輸送体は相互に調節し合う複合体を形成して神経細胞の興奮性に影響する

Research Resources

mMAPS:個々のシグナル伝達複合体におけるタンパク質-タンパク質相互作用を分析するためのフロー–プロテオメトリー技術

Perspectives

構造的シグナル伝達の1年:mTORは選りすぐりのPIKK?

最新のPerspectives記事

2017年7月4日号

発見から25年強が過ぎたAKTに関する展望

2016年10月18日号

WNKキナーゼに固有の構造的特徴を活用して治療的阻害を達成する

2016年4月26日号

Ca2+透過性AMPA受容体、キナーゼPKAおよびホスファターゼPP2BはシナプスのLTPおよびLTDにおいてどのような結び付きがあるか

2016年4月5日号

IP3受容体:4つのIP3でチャネルを開く

2015年11月3日号

発がん性PI3Kαが乳房上皮細胞の多能性を促進する