足場を築いて血圧を下げる

Sci. Signal., 8 July 2014
Vol. 7, Issue 333, p. pe16
[DOI: 10.1126/scisignal.2005527]

Pooneh Bagher and Christopher J. Garland^*

Department of Pharmacology, University of Oxford, Oxford OX1 3QT, UK

* Corresponding author. E-mail: christopher.garland@pharm.ox.ac.uk

要約

内皮細胞は、血管拡張シグナルを供給して血圧を低下させる。血液分布と血圧を決定する小さな抵抗動脈および細動脈において、主要なシグナルは、内皮のカルシウム依存性カリウムチャネル（K_Ca）活性を反映する過分極である。今週号のScience Signalingにおいて、Sonkusareらは、キナーゼPKCとカルシウムチャネルTRPV4が受容体を介する弛緩シグナル伝達を行うためには、足場タンパク質AKAP150が必要であることを報告している。この足場によって、TRPV4開口の協調性が高まり、Ca²⁺シグナルが顕著に増幅され、最終的に（主に）IK_Caチャネルが活性化される。AKAP150は正常時には小さな内皮突起に限局しているが、高血圧モデルにおいてはAKAP150の局在とそれに関連するシグナル伝達が乱れており、その結果、過分極と血管拡張が弱まっている。

P. Bagher, C. J. Garland, Scaffolding Builds to Reduce Blood Pressure. Sci. Signal. 7, pe16 (2014).