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殺し屋を殺す:PARC/CUL9はチトクロムcの破壊により細胞の生存を促進する
Killing the Killer: PARC/CUL9 Promotes Cell Survival by Destroying Cytochrome c
Sci. Signal., 15 July 2014
Vol. 7, Issue 334, p. pe17
[DOI: 10.1126/scisignal.2005619]
Jonathan Lopez and Stephen W. G. Tait*
Cancer Research UK Beatson Institute, Institute of Cancer Sciences, University of Glasgow, Garscube Estate, Switchback Road, Glasgow G61 1BD, UK.
* Corresponding author. E-mail: stephen.tait@glasgow.ac.uk
要約
健康にはバランスのとれた量のアポトーシスが不可欠であり、その調節異常は神経変性、自己免疫およびがんに重要な役割を果たしている。ミトコンドリアは、ミトコンドリア外膜透過性(MOMP)と呼ばれるプロセスを介してアポトーシスを調整している。MOMPの後、ミトコンドリアから細胞質中にチトクロムcが放出され、そこでアダプター分子であるAPAF1に結合し、カスパーゼプロテアーゼの活性化と細胞死を引き起こす。本誌今週号でDeshmukhと共同研究者らは、ミトコンドリア膜の透過化の下流にある新たな生存機構を明らかにした。具体的には、彼らは細胞生存の重大な決定因子として、プロテアソームによるチトクロムcの分解を特定した。不偏的アプローチで、PARC(CUL9としても知られる)は、チトクロムcのユビキチン化およびプロテアソームによる分解を担うユビキチンリガーゼであることが確認された。がん細胞と有糸分裂後の細胞はいずれも、PARC/CUL9を介したチトクロムc分解のプロセスを用いて細胞の生存を確実にしていることから、上記の生存プロセスの帰結は諸刃のものかもしれない。究極的には、このプロセスを差次的に標的とすることが、有糸分裂後の組織の生存を促進したり、腫瘍特異的な細胞死を促進したりすると考えられる。
J. Lopez, S. W. G. Tait, Killing the Killer: PARC/CUL9 Promotes Cell Survival by Destroying Cytochrome c. Sci. Signal. 7, pe17 (2014).