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リングを閉じる:ケモカイン受容体の第4の細胞外ループ

Closing the Ring: A Fourth Extracellular Loop in Chemokine Receptors

Perspectives

Sci. Signal., 2 September 2014
Vol. 7, Issue 341, p. pe21
DOI: 10.1126/scisignal.2005664

Martyna Szpakowska, Danielle Perez Bercoff, and Andy Chevigné*

Laboratory of Retrovirology, Public Research Centre for Health (CRP-Santé), 84 Val Fleuri, L-1526 Luxembourg, Luxembourg.

* Corresponding author. E-mail: andy.chevigne@crp-sante.lu

要約 ケモカイン受容体は、多くの生理学的および病理学的プロセスに基本的役割を果たす、ヘテロ三量体のグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体である。これらの受容体は通常、第3膜貫通セグメント(TM3)と第2細胞外ループ(ECL2)の先端部のジスルフィド結合による架橋で安定化される、7回膜貫通型ヘリックス束を形成している。ケモカイン受容体であるCXCR1、CXCR4およびCCR5の三次元構造解析から、受容体のN末端と第7膜貫通セグメント(TM7)の先端部を結合し、それによってこの受容体を閉じてリング状にする、第2のジスルフィド架橋の存在が明らかになった。この第2のジスルフィド結合の重要な結果は、リガンド結合ポケットの入り口を形成し受容体の表面全体に剛性を加える、さらなる細胞外ループの形成である。本稿では、これらの「擬似ループ」の特徴、その形成のための構造的要件、およびこれが受容体機能に果たしうる影響について考察する。

M. Szpakowska, D. P. Bercoff, and A. Chevigné, Closing the Ring: A Fourth Extracellular Loop in Chemokine Receptors. Sci. Signal. 7, pe21 (2014).

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