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B細胞シグナル伝達のアイソタイプによる制御

Isotype Control of B Cell Signaling

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2003, Issue 184, pp. pe21, 27 May 2003
[DOI: 10.1126/stke.2003.184.pe21]

Karlee Silver and Richard J. Cornall*

Nuffield Department of Clinical Medicine, University of Oxford, John Radcliffe Hospital, Headington, Oxford OX3 9DU, UK.
*Corresponding author. E-mail: richard.cornall@ndm.ox.ac.uk

要約 : B細胞受容体(BCR)はCD79aおよびCD79bヘテロダイマーと会合した抗原結合性の膜免疫グロブリン(mIg)からなる。ナイーブB細胞はIgM、IgDアイソタイプを発現しているが、これらのアイソタイプは細胞質側末端(cytoplasmic tail)が非常に短く、そのためシグナル伝達をCD79aとCD79bに依存している。抗原刺激を受けると、B細胞はアイソタイプ変換を受け、IgG、IgE、またはIgAが産生される。最近の研究では、B細胞共通受容体CD22のBCRシグナル伝達制御能がmIgの細胞質側末端のアイソタイプに依存していることが示唆されている。IgGに由来する細胞質側末端、すなわちメモリーB細胞に認められるアイソタイプを有するBCRを発現している細胞株はCD22による制御を受けないが、IgMの細胞質側末端を有するBCRを発現している細胞株はCD22による制御を受ける。さらに、IgGの細胞質側末端を含むBCRを介して刺激を与えると、抗原特異的なクローン数が増加し、蓄積する。これらの観察結果は、ナイーブ細胞とメモリー細胞のB細胞シグナル伝達の相違を理解するための重要なステップである。本稿では、これらの所見がCD22による制御およびmIgGを有するBCRを介したシグナル伝達に対して意味するところを議論する。

K. Silver, R. J. Cornall, Isotype Control of B Cell Signaling. Sci. STKE 2003, pe21 (2003).

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