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重要な神経細胞アポトーシス制御因子としてのERKの新たな役割

Emerging Role for ERK as a Key Regulator of Neuronal Apoptosis

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 251, pp. pe45, 21 September 2004
[DOI: 10.1126/stke.2512004pe45]

Eric C. C. Cheung and Ruth S. Slack*

Ottawa Health Research Institute?Neuroscience Center and Department of Cellular and Molecular Medicine, University of Ottawa, Ottawa, Ontario, Canada K1H 8M5.
*Corresponding author. E-mail: rslack@uottawa.ca

要約 : 細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)は、従来からマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)ファミリーに属する生存因子であると考えられている。ところが、最近のいくつかの報告によれば、ERKは、各種の神経変性モデルにおいて、神経細胞死も引き起こすことが示唆される。とはいえ、ERKのアポトーシスにおける作用に関する詳しい研究は、まだこれからである。ある最近の研究は、ERK阻害剤はニューロンを低カリウム状態から保護するが、恒常的活性型のERKは細胞死を活性化することを示すことにより、ERKが、カリウム欠乏により誘導される神経細胞死における重要なアポトーシス誘導因子であることを明らかにした。最も重要な点は、ERKが、カスパーゼ3活性に非依存的な形質膜およびDNAの損傷を引き起こすことで神経細胞死を促進できることである。神経細胞死におけるERKのメカニズムに関する研究をさらに進めることで、神経変性の治療において、ERKを治療の標的として利用できる可能性が開けるかもしれない。

E. C. C. Cheung, R. S. Slack, Emerging Role for ERK as a Key Regulator of Neuronal Apoptosis. Sci. STKE 2004, pe45 (2004).

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