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行き先はどこか?NMDA-D1受容体の捕捉

Where Do You Think You Are Going? The NMDA-D1 Receptor Trap

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 333, pp. pe20, 2 May 2006
[DOI: 10.1126/stke.3332006pe20]

Carlos Cepeda and Michael S. Levine*

Mental Retardation Research Center, Department of Psychiatry and Biobehavioral Sciences, University of California, Los Angeles, CA 90095, USA.
*Corresponding author. Telephone, 310-825-7595; fax, 310-206-5060; e-mail, mlevine@mednet.ucla.edu

要約 : ドーパミン(DA)D1受容体とN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体との相反性相互作用の数および結果は増加の一途をたどっている。最近の研究により、1つの受容体の活性化が他の受容体の機能に影響を及ぼす密接な物理的相互作用が実証された。ある物理的相互作用において、NMDA受容体の活性化によってD1受容体が樹状突起棘に捕捉され、その分布が変化することにより、D1受容体の局所分布および移動が変化する。2つ目の物理的相互作用では、D1受容体およびNMDA受容体のサブユニットがヘテロ二量体を形成し、細胞の内部から表面へと輸送される。最後に、3つ目の物理的相互作用は、D1受容体のC末端がNMDA受容体のサブユニットと接触することを示している。これらの物理的相互作用は、受容体機能を減弱または増強できる。これに対して、セカンドメッセンジャーにより仲介される従来の相互作用は、一般的にD1受容体の活性化およびcAMP-PKA-DARPP-32(アデノシン3'5'-一リン酸(cAMP)プロテインキナーゼA-cAMP制御32kDリン酸化タンパク質)またはPKC(プロテインキナーゼC)カスケードを介するNMDA受容体機能の増強を引き起こす。すなわち、これらのメカニズムは、ますます増大するD1-NMDA受容体相互作用の複雑さおよび生理学的および病理学的過程における重要性を理解するための基礎となるものである。

C. Cepeda, M. S. Levine, Where Do You Think You Are Going? The NMDA-D1 Receptor Trap. Sci. STKE 2006, pe20 (2006).

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