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サイトカインの特異的分泌

Differential Secretion of Cytokines

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 338, pp. pe26, 6 June 2006
[DOI: 10.1126/stke.3382006pe26]

Redwan Moqbel* and Jason J. Coughlin

Pulmonary Research Group, University of Alberta, Edmonton, Alberta, Canada.
*Corresponding author. E-mail, Redwan.moqbel@ualberta.ca

要約 : 好酸球の顆粒は、極めて多様なサイトカインやケモカインを貯蔵しており、それらの多くは相反する活性を有する。特定の刺激によって、顆粒全体の放出、あるいは断片的脱顆粒と呼ばれる過程を介するメディエーターの選択的な放出を誘導することができる。最近まで、どちらの過程を選ぶかという決定を支配する機構は不明であった。最近の研究によって、断片的脱顆粒の際に特異的な分泌が起こる機構が同定された。好酸球をエオタキシンで刺激すると、顆粒に貯蔵されたインターロイキン4(IL-4)受容体アルファ鎖の分泌小胞への選択的動員(selective mobilization)が誘導される。この過程によって、IL-4が分泌小胞に選択的に補充され、個別の分泌が促進される。さらに、顆粒に対して、分泌小胞の個別の動員および膜融合の機構に関する最近の証拠もある。これら2つのコンパートメントは、小胞融合タンパク質および輸送ドッキングタンパク質として、それぞれ異なる一群のSNARE分子とRab分子を有する。このことにより、おそらくは小胞の動員や細胞膜との融合の過程の個別の調節が可能になっている。これらの知見から、好酸球やおそらくは他の多くの細胞種がサイトカインやケモカインを個別に分泌する機構を説明するモデルが得られる。

R. Moqbel, J. J. Coughlin, Differential Secretion of Cytokines. Sci. STKE 2006, pe26 (2006).

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