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VRACが中枢神経系における新たなコミュニケーション機構への道を切り開く

VRACs CARVe a Path for Novel Mechanisms of Communication in the CNS

Perspectives

Sci. STKE, 17 October 2006 Vol. 2006, Issue 357, p. pe42
[DOI: 10.1126/stke.3572006pe42]

Sean J. Mulligan1 and Brian A. MacVicar2*

1Department of Physiology, University of Saskatchewan, Saskatoon, SK, Canada S7N 5E5
2Department of Psychiatry and the Brain Research Centre, University of British Columbia, Vancouver, BC, Canada V6T 2B5
*Corresponding author. E-mail, bmacvica@interchange.ubc.ca

要約 : 脳は頭蓋骨に包み込まれているため、脳内の細胞容積を調節する能力はきわめて重要であり、細胞容積の恒常性を乱すような病的状態は、神経の機能と生存を著しく危うくする可能性がある。星状細胞は、病的状態に反応して膨張する主要な細胞種である。つい最近では、非病的な状態下で星状細胞が膨張に誘発されて神経伝達物質を放出する事象の役割が報告されている。星状細胞は、容積の恒常性に関与する容積感受性陰イオンチャネル(VRAC)を発現している。VRACは塩素イオンを輸送するだけでなく、塩素イオンと、タウリン、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸を流出させる。グルタミン酸とアスパラギン酸は、ニューロンのグルタミン酸受容体の強力な活性化因子である。したがってこの非シナプス型の細胞コミュニケーションは、ニューロンの興奮性とシナプスの活性を調節している可能性がある。

S. J. Mulligan, B. A. MacVicar, VRACs CARVe a Path for Novel Mechanisms of Communication in the CNS. Sci. STKE 2006, pe42 (2006).

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