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RGSタンパク質:7回膜貫通ドメイン受容体のシグナル伝達ネットワークにおけるスイスアーミーナイフ

RGS Proteins: Swiss Army Knives in Seven-Transmembrane Domain Receptor Signaling Networks

Perspectives

Sci. STKE, 23 January 2007 Vol. 2007, Issue 370, p. pe2
[DOI : 10. 1126/stke. 3702007pe2]

Scott P. Heximer1* and Kendall J. Blumer2*

1Department of Physiology and Heart and Stroke/Richard Lewar Centre of Excellence, University of Toronto, 1 King's College Circle, Toronto, Ontario M5S 1A8, Canada.
2Department of Cell Biology and Physiology, Washington University School of Medicine, Box 8228, 660 South Euclid Avenue, St. Louis, MO 63110, USA.
*Corresponding author. E-mail, scott.heximer@utoronto.ca (S.P.H.); kblumer@cellbiology.wustl.edu (K.J.B.)

要約 : ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)活性の協調的調節は、複数の細胞内シグナル伝達ネットワークからの情報を統合するのに重要である。ヒトのGタンパク質シグナル伝達調節因子regulator of G protein signaling(RGS)タンパク質ファミリーには、この目的に適している35種類以上のメンバーが含まれる。すべてのRGSタンパク質にはGαと相互作用する約120アミノ酸のコアドメイン(RGSドメインと呼ばれる)があるが、他の機能性ドメインのサイズおよび構成は大きく異なる。構造が複雑なRGSタンパク質には、多様なシグナル伝達エフェクターとの相互作用を媒介する複数のモジュール式タンパク質−タンパク質相互作用ドメインがある。構造が単純なRGSタンパク質には小さな末端ドメインがあるが、相互作用する細胞内のパートナーの数は驚くほど多い。このPerspectiveは、複数のシグナル伝達ネットワークを統合する可能性のある単純なRGSタンパク質であるRGS2に注目する。最近の3つの研究では、RGS2のアミノ末端ドメインは3つの異なるエフェクタータンパク質、すなわちアデニル酸シクラーゼ、チューブリン、陽イオンチャネルTRPV6と相互作用して調節することが示された。RGS2と相互作用するパートナーの報告が続いていることを説明するために、我々は2つのモデルを提案する。(1)RGS2のアミノ末端ドメインには短いエフェクタータンパク質相互作用モチーフが複数含まれる、(2)RGS2のアミノ末端ドメインは、様々な標的と結合するために異なる構造をとる。標的との相互作用を制御する正確なメカニズムがどのようなものであれ、これらの研究から、RGS2は複数の細胞内シグナル伝達経路を統合する重要な点であることが示唆され、極めて多様な細胞機能を協調させる動的で多機能なシグナル伝達センターとしてのRGSタンパク質の役割が浮き彫りになる。

S. P. Heximer, K. J. Blumer, RGS Proteins: Swiss Army Knives in Seven-Transmembrane Domain Receptor Signaling Networks. Sci. STKE 2007, pe2 (2007).

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