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接着斑の変動:すべりクラッチか、機械的測定器か、あるいはシグナル貯蔵所か

Flux at Focal Adhesions: Slippage Clutch, Mechanical Gauge, or Signal Depot

Perspectives

Sci. STKE, 13 March 2007 Vol. 2007, Issue 377, p. pe10
[DOI: 10.1126/stke.3772007pe10]

Yu-li Wang*

University of Massachusetts Medical School, 377 Plantation Street, Suite 327, Worcester, MA 01605, USA.
*Corresponding author. E-mail: yuli.wang@umassmed.edu
Review and commentary on An Introduction to Systems Biology: Design Principles of Biological Circuits, by Uri Alon (Chapman & Hall/CRC, Taylor & Francis Group, Boca Raton, FL, 2006), 301 pp., ISBN: 1-58488-642-0.

要約 : 接着斑は、接着細胞の内部と細胞外マトリックス(ECM)の間に物理的架橋を作り出す。接着斑は、細胞の遊走、接着、ECMとの機械的相互作用、環境からの物理的信号の検出などといった機能の調節に関与している可能性がある。細胞生物学者は長い間、接着斑に認められる一連の複雑な成分と、同様に複雑なこれらの成分間の相互作用ネットワークをつなぎ合わせて、推定されるこのような機能を果たす「装置」を明らかにしようと苦心してきた。しかしながら、最近の2つの研究は、接着斑はこれまで想定されていたよりも不定形で、動的なものである可能性が示唆されている。これらの研究では、種々の接着斑タンパク質がアクチンフィラメントに相関してさまざまな程度に逆行性移動する一方で、インテグリンは大部分が固定されたままであることが明らかにされた。このような動きの違いは、精密に設計された装置とは矛盾すると考えられ、不定量の収縮力を遊走担体に伝達するためのすべりクラッチ、接着部位における物理的相互作用の測定器、あるいはシグナルを接着部位から細胞内部に放出する機構を表している可能性がある。

Y.-l. Wang, Flux at Focal Adhesions: Slippage Clutch, Mechanical Gauge, or Signal Depot. Sci. STKE 2007, pe10 (2007).

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