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X線結晶構造解析およびNMRがEFハンドタンパク質による細胞内カルシウムシグナル伝達に対して及ぼす影響:構造から生物学および医学への扉を開く

The Impact of X-ray Crystallography and NMR on Intracellular Calcium Signal Transduction by EF-Hand Proteins: Crossing the Threshold from Structure to Biology and Medicine

Perspectives

Sci. STKE, 29 May 2007 Vol. 2007, Issue 388, p. pe27
[DOI: 10.1126/stke.3882007pe27]

Walter J. Chazin*

Departments of Biochemistry and Chemistry, Center for Structural Biology, Vanderbilt University, 5140 BIOSCI/MRBIII, 465 21st Avenue, Nashville, TN 37232?8725, USA.
*Contact information. Telephone, 615-936-2210; fax, 615-936-2211; e-mail, walter.chazin@vanderbilt.edu

要約 : X線結晶構造解析および溶液核磁気共鳴(NMR)分光法の使用は、細胞内カルシウムシグナルの細胞応答への伝達に関する我々の理解に大きな変革をもたらした。実際に、基礎的で記述的な構造生物化学から治療学やバイオテクノロジーにおける現実的応用への臨界しきいを乗り越える可能性がぼんやりと見えてきた。X線法およびNMR法を用いて決定され、タンパク質データバンク(Protein Data Bank)に登録されている約500個の原子レベルの解像度の構造は、その多くがEFハンドタンパク質と細胞標的のペプチド断片の複合体であるが、これらの構造からEFハンドタンパク質がカルシウムの結合に対してどのように応答するのかに関する極めて詳細な説明が得られた。この構造データベースはEFハンドタンパク質の機能を詳述するための強力な構造的ツールであるが、下流の標的に対する構造的な影響が決定されていないので、生物学および医学に与える影響は限られている。今我々は、標的タンパク質の変化を明らかにし、下流への機能的影響を理解できるようにするために、EFハンド中心の構造情報を拡張する好機にある。

W. J. Chazin, The Impact of X-ray Crystallography and NMR on Intracellular Calcium Signal Transduction by EF-Hand Proteins: Crossing the Threshold from Structure to Biology and Medicine. Sci. STKE 2007, pe27 (2007).

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