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活動的なシグナル:ゼブラフィッシュのケモカイン受容体と器官形成

Signals on the Move: Chemokine Receptors and Organogenesis in Zebrafish

Perspectives

Sci. STKE, 21 August 2007 Vol. 2007, Issue 400, p. pe45
[DOI: 10.1126/stke.4002007pe45]

Julie R. Perlin* and William S. Talbot

Department of Developmental Biology, Stanford University, Stanford, CA 94305, USA.
*Corresponding author. E-mail, jperlin@stanford.edu

要約 : ケモカインのSDF1(間質細胞由来因子1)は、胚形成から炎症にいたるまでの多種多様な状況において細胞の移動を方向付ける。SDF1aはゼブラフィッシュの側線原基を誘導する信号である。この原基は、胚の側面に沿って移動し、機械感覚器を形成する細胞を集める組織である。SDF1a受容体のCXCR4bは、原基の先導端に位置する細胞で作用して移動方向を決定する。2つの新たな研究によって、別のSDF1受容体であるCXCR7は原基の後縁の細胞においてのみ必要であることが示され、さらにこれら2つの受容体が原基の移動を調整する仕組みが検討されている。CXCR4bとCXCR7は、おそらくは一方の受容体が他方の発現を抑制する相互抑制を介して、相補的な領域に発現する。これらの研究では、原基全体が単一のシグナルに応答しながらも、異なる受容体を用いることによって細胞種特異的な応答を引き起こす機構について説明されている。

J. R. Perlin, W. S. Talbot, Signals on the Move: Chemokine Receptors and Organogenesis in Zebrafish. Sci. STKE 2007, pe45 (2007).

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