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シンデカンのシェディング−不活性分子としての評判を落とした

Syndecans Shed Their Reputation as Inert Molecules

Perspectives

Sci. Signal., 31 March 2009
Vol. 2, Issue 64, p. pe18
[DOI: 10.1126/scisignal.264pe18]

Mark D. Bass*, Mark R. Morgan*, and Martin J. Humphries †

Wellcome Trust Centre for Cell-Matrix Research, Faculty of Life Sciences, University of Manchester, Michael Smith Building, Oxford Road, Manchester M13 9PT, UK.
* Both authors contributed equally to this Perspective.
† Corresponding author. Telephone, +44-(0)-161-275-5071; fax, +44-(0)-161-275-5082; e-mail, martin.humphries@manchester.ac.uk

要約 : 膜貫通型プロテオグリカンであるシンデカンは、細胞外マトリックス分子や増殖因子に対する受容体と協力し、様々な細胞外刺激に応答して細胞内シグナル伝達を開始する。シンデカンは極めて多様な生理学的過程に影響を及ぼすが、その影響は創傷の修復の際に最も顕著にあらわれる。研究的関心を引きつけてきたシンデカンの生物学的側面として、細胞外マトリックスとの結合、細胞膜の外側から内側へのシグナル伝搬、細胞内シグナルの活性化、シンデカン細胞外ドメインのシェディングなどがある。しかし、シンデカンの細胞内シグナルがどのような機構で細胞外機能を調節しているかはあまり解明されていない。Hayashidaらはこのほど、エンドサイトーシスの調節因子であるRab5とシンデカン-1細胞質ドメインとの会合が、シンデカン-1の細胞外ドメインのシェディングを制御していることを発見した。この研究では、内側から外側へのシンデカンのシグナル伝達の機構に関する研究について述べられ、細胞表面受容体とプロテアーゼの相互関係に関する我々の理解にいくつかのギャップがあることが浮き彫りにされている。このPerspectiveでは、我々は、受容体の相互作用に関する最新の理解についてまとめ、接着と増殖因子に依存するシグナル伝達の研究者たちが直面している課題を明らかにする。

M. D. Bass, M. R. Morgan, M. J. Humphries, Syndecans Shed Their Reputation as Inert Molecules. Sci. Signal. 2, pe18 (2009).

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