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内在性カンナビノイドは痛みの門を開くことができる

Endocannabinoids Can Open the Pain Gate

Perspectives

Sci. Signal., 15 September 2009
Vol. 2, Issue 88, p. pe57
[DOI: 10.1126/scisignal.288pe57]

MacDonald J. Christie* and Christophe Mallet

Brain and Mind Research Institute, University of Sydney, Sydney, New South Wales 2006, Australia.
* Corresponding author. E-mail, mac.c@usyd.edu.au

要約 : 抑制性ニューロンは通常、無害の刺激が疼痛として知覚されるのを阻止するが、脊髄で産生される内在性カンナビノイドは、この抑制性ニューロンのシナプスを鈍らせることによって、疼痛を増強する能力をもつ。この機構によって、疼痛を感知する神経に持続的刺激を受けた動物およびヒトの損傷部位周囲の皮膚では、通常は無害の機械的刺激に対する疼痛応答性が高まる。炎症または神経損傷によって誘発される慢性疼痛の発生時には、内在性カンナビノイドの疼痛促進作用が弱まる。この知見から、ヒトでの治験において、カンナビノイド薬がほとんどのタイプの急性および術後疼痛の治療に無効である一方、一部の慢性疼痛状態には有効である理由が、ある程度説明されると考えられる。

M. J. Christie, C. Mallet, Endocannabinoids Can Open the Pain Gate. Sci. Signal. 2, pe57 (2009).

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