• ホーム
  • NIKの運命の制御:非典型的NF-κBシグナル伝達の中心的段階

NIKの運命の制御:非典型的NF-κBシグナル伝達の中心的段階

Controlling the Fate of NIK: A Central Stage in Noncanonical NF-κB Signaling

Perspectives

Sci. Signal., 25 May 2010
Vol. 3, Issue 123, p. pe18
[DOI: 10.1126/scisignal.3123pe18]

Shao-Cong Sun*

Department of Immunology, The University of Texas MD Anderson Cancer Center, 7455 Fannin Street, Box 902, Houston, TX 77030, USA.

* E-mail, ssun@mdanderson.org

要約:非典型的な核因子κB(NF-κB)経路は、免疫機能の重要な側面を調節するNF- κBシグナル伝達の特定の部分である。この経路の活性化は、きわめて重要なシグナル伝達要素であるNF-κB誘導キナーゼ(NIK)の調節を軸としてい る。通常の条件下では、NIKは恒常的な分解を受け、その機能に必要とされる閾値よりも低い存在量が保たれる。非典型的NF-κB経路のシグナル誘導性の 活性化は、NIKの安定化と蓄積と共役している。今回の研究から、シグナル誘導性のNIKの蓄積がフィードバック制御を受けており、この制御には、下流キ ナーゼであるκB阻害因子(IκB)キナーゼα(IKKα)によるリン酸化および分解が関与していることが示された。このように、NIKの運命の制御は、 非典型的NF-κBシグナル伝達の中心的機構として浮上している。

S. C. Sun, Controlling the Fate of NIK: A Central Stage in Noncanonical NF-κB Signaling. Sci. Signal. 3, pe18 (2010).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2010年5月25日号

Editor's Choice

TCRシグナル伝達
力を利用する

Research Article

WNTとFGFのシグナル伝達のバランスが骨格発達の際に間葉系幹細胞運命を左右する

非典型的NF-κBシグナル伝達の負のフィードバックがIKKαを介するリン酸化によってNIKの安定性を調節する

TRAF6とA20はBeclin-1のリジン63結合型ユビキチン化を調節してTLR4誘導性オートファジーを制御する

Perspectives

NIKの運命の制御:非典型的NF-κBシグナル伝達の中心的段階

最新のPerspectives記事

2017年7月4日号

発見から25年強が過ぎたAKTに関する展望

2016年10月18日号

WNKキナーゼに固有の構造的特徴を活用して治療的阻害を達成する

2016年4月26日号

Ca2+透過性AMPA受容体、キナーゼPKAおよびホスファターゼPP2BはシナプスのLTPおよびLTDにおいてどのような結び付きがあるか

2016年4月5日号

IP3受容体:4つのIP3でチャネルを開く

2015年11月3日号

発がん性PI3Kαが乳房上皮細胞の多能性を促進する