軸パターン形成と再生におけるWntシグナル伝達：プラナリアから得た教訓

Sci. Signal., 22 June 2010
Vol. 3, Issue 127, p. pe21
[DOI: 10.1126/scisignal.3127pe21]

Edward M. De Robertis*

Howard Hughes Medical Institute and Department of Biological Chemistry, University of California, Los Angeles, Los Angeles, CA 90095-1662, USA.

* Corresponding author. E-mail, ederobertis@mednet.ucla.edu

要約：Wntシグナル伝達は、幹細胞の増殖と再生にきわめて重要な役割を果たす。標準的なWntシグナル伝達が 低下すると頭部が発生し、亢進すると尾部が形成される。プラナリアでは、βカテニンに依存しない方法で、損傷によってWnt転写が活性化される。ヘッジ ホッグは、Wnt転写の活性化を通じて尾部（頭部ではなく）の再生を誘導するため、関与するシグナルの1つとなる。Smad4が欠乏すると再生が完全に阻 止されることから、再生と体パターン形成には骨形成タンパク質シグナル伝達経路とWnt経路が必要であることが示唆される。

E. M. De Robertis, Wnt Signaling in Axial Patterning and Regeneration: Lessons from Planaria. Sci. Signal. 3, pe21 (2010).