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赤外線を検知するヘビの眼:ヘビのピット器官のTRPA1と温度感受性

Infrared Snake Eyes: TRPA1 and the Thermal Sensitivity of the Snake Pit Organ

Perspectives

Sci. Signal., 22 June 2010
Vol. 3, Issue 127, p. pe22
[DOI: 10.1126/scisignal.3127pe22]

Vincent C. Panzano*, Kyeongjin Kang*, and Paul A. Garrity

Department of Biology, National Center for Behavioral Genomics, Volen Center for Complex Systems, Brandeis University, Waltham, MA 02458, USA.

* These authors contributed equally to this work.

†Corresponding author. E-mail: pgarrity@brandeis.edu

要約:クサリヘビ科、ニシキヘビ科およびボア科のヘビがもつピット器官は非常に優れた感覚器であり、これによっ てヘビは、温血の餌食から放射される赤外線を検知することができる。この能力は、温度の僅かな変動に対してピット器官が極めて高い感度をもつことを反映し ていると理論化されているが、このように著しく高い温度分解能をもたらす分子については不明である。新たに得られた実験的証拠から、ピット器官は、高温で 活性化される陽イオンチャネルTRPA1(transient receptor potential ankyrin 1)を使って温度に反応することが明らかにされ、この知見から、基礎にある分子機構について始めて垣間見ることができた。ヘビのTRPA1がもつこのよう な特性は、多くの生物学的な温度受容器が高い感度をもつことになるメカニズムについて、また高温で活性化されるこれらTRPチャネルの進化的起源につい て、興味深い問題を提起している。

V. C. Panzano, K. Kang, P. A. Garrity, Infrared Snake Eyes: TRPA1 and the Thermal Sensitivity of the Snake Pit Organ. Sci. Signal. 3, pe22 (2010).

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