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GαqとホスホリパーゼC-β:スイッチのオンとオフを素早く
Gαq and Phospholipase C-β: Turn On, Turn Off, and Do It Fast
Sci. Signal., 8 February 2011
Vol. 4, Issue 159, p. pe5
[DOI: 10.1126/scisignal.2001798]
Elliott M. Ross*
Department of Pharmacology, University of Texas Southwestern Medical Center, 6001 Forest Park Road, Dallas, TX 75390-9041, USA.
* Corresponding author. Telephone, 214-645-6134; e-mail, ross@utsw.swmed.edu
要約:ヘテロ三量体Gタンパク質とGタンパク質共役受容体といえば、原核生物に起原を有する保存されたタンパク質ファミリーであるが、Gタンパク質による調節を受けるさまざまなエフェクターは構造的にも機能的にも均一ではない。これらのエフェクターは、明らかに、それぞれの進化の歴史の遅い段階でGタンパク質に従うように進化した。エフェクタータンパク質のホスホリパーゼC-β3(PLC-β3)とその活性化因子のGαqの間で形成される複合体の構造は、複数のエフェクターがGタンパク質を認識するために構造的に類似するヘリックス・ターン・ヘリックス領域をそれぞれ独自に進化させたことを示唆する。また、PLC-βは、PLC-βを活性化するGqに対するグアノシントリホスファターゼ(GTPase)活性化タンパク質(GAP)でもある。収束進化の別の例では、これらのタンパク質のGAP活性は、Gタンパク質に対する別のGAPファミリーであるRGSタンパク質のGAP部位に類似する可動性のアスパラギン含有ループに依存する。まとめると、これら2つの部位が連動することによって、活性化されたGαqとの素早い結合、およびその後の素早い非活性化が可能になることが提唱される。このサイクルのおかげで、効率のよいシグナル伝達を行いながらGq共役受容体の活性化状態を迅速にサンプリングすることが可能になる。
E. M. Ross, Gαq and Phospholipase C-β: Turn On, Turn Off, and Do It Fast. Sci. Signal. 4, pe5 (2011).