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アクチベーターとリプレッサーのバランスを超えて

Beyond the Balance of Activator and Repressor

Perspectives

Sci. Signal., 7 June 2011
Vol. 4, Issue 176, p. pe29
[DOI: 10.1126/scisignal.2002183]

Thomas Whitington1, Arttu Jolma1,2, and Jussi Taipale1,2*

1 Department of Biosciences and Nutrition, Karolinska Institutet, SE-141 83 Stockholm, Sweden.
2 Genome-Scale Biology Program, Institute of Biomedicine, University of Helsinki, Biomedicum, Post Office Box 63 (Haartmaninkatu 8), FI-00014 Helsinki, Finland.

* Corresponding author. E-mail, jussi.taipale@ki.se

要約:発生時の細胞分化は細胞外のモルフォゲンによる制御を受ける。応答細胞は受け取ったモルフォゲンの量に基づいて、異なる細胞運命への分化を誘導される。異なる細胞運命を特定する遺伝子はモルフォゲンに対して異なる応答を示し、細胞外のモルフォゲンの濃度勾配は応答細胞内で転写因子の活性の勾配へと変換される。ヘッジホッグ(Hh)の場合には、その勾配は、転写因子Cubitus interruptus(Ci)の転写アクチベーター型と転写リプレッサー型の相反する勾配へと変換される。この勾配のなかでのアクチベーターとリプレッサーの間のバランスが、標的遺伝子の応答を決定すると一般に考えられてきた。しかし、エンハンサーがCiのアクチベーター型とリプレッサー型に対して選択的に応答可能であること、そして、この選択性がエンハンサーのCi結合部位の親和性によって決定されることを示す新たな証拠がある。

T. Whitington, A. Jolma, J. Taipale, Beyond the Balance of Activator and Repressor. Sci. Signal. 4, pe29 (2011).

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