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皮膚における幹細胞の増殖:α-カテニンがHippo経路を支配する

Stem Cell Proliferation in the Skin: α-Catenin Takes Over the Hippo Pathway

Perspectives

Sci. Signal., 26 July 2011
Vol. 4, Issue 183, p. pe34
[DOI: 10.1126/scisignal.2002311]

Elsa R. Flores1,2,3* and Georg Halder1,2,4*

1 Department of Biochemistry and Molecular Biology, The University of Texas M. D. Anderson Cancer Center, 1515 Holcombe Boulevard, Houston, TX 77030, USA.
2 Program in Genes and Development, The University of Texas M. D. Anderson Cancer Center, 1515 Holcombe Boulevard, Houston, TX 77030, USA.
3 Program in Cancer Biology, The University of Texas M. D. Anderson Cancer Center, 1515 Holcombe Boulevard, Houston, TX 77030, USA.
4 Program in Developmental Biology, Baylor College of Medicine, One Baylor Plaza, Houston, TX 77030, USA.

* Corresponding author. E-mail: elsaflores@mdanderson.org (E.R.F.); ghalder@mdanderson.org (G.H.)

要約:人体の上皮組織は常に再生している。例えば皮膚は、基底部で通常は静止状態にある幹細胞が周期的に増殖することによって、持続的に再生されている。幹細胞の静止状態と増殖の適正なバランスは、組織の維持と修復にとって必要な幹細胞のプールを保持するために、生物の一生を通じて維持される。しかし、幹細胞の再生速度を制御する機構については、ほとんどわかっていない。さらに、表皮幹細胞におけるこれらの機構の調節不全が皮膚がんを引き起こすのかどうかも不明である。接着結合成分のα-カテニンは、表皮幹細胞の増殖調節因子として、また、Hippo増殖調節経路の転写エフェクターであるYapの抑制を介した皮膚がんの抑制因子として同定されている。皮膚における幹細胞の増殖を調節する経路について理解できれば、老化過程と腫瘍形成の逆行に期待が持てる。

E. R. Flores, G. Halder, Stem Cell Proliferation in the Skin: α-Catenin Takes Over the Hippo Pathway.Sci. Signal. 4, pe34 (2011).

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