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再循環するリンパ球の時計の設定
Setting the Clock for Recirculating Lymphocytes
Sci. Signal., 8 November 2011
Vol. 4, Issue 198, p. pe43
[DOI: 10.1126/scisignal.2002617]
Alexander Eichner and Michael Sixt*
Institute of Science and Technology Austria, Am Campus 1, A-3400 Klosterneuburg, Austria.
* Corresponding author. E-mail, sixt@ist.ac.at
要約:抗原を探索する際に、リンパ球は継続的に血管、リンパ管、リンパ組織の間を往復する。ケモカインはリンパ球のリンパ組織への侵入に関与し、スフィンゴシン1リン酸(SIP)はリンパ球の脈管構造への局在を促進する。両方のシグナルともに、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を介して認識される。ほとんどのGPCRは、リガンド依存的な相同受容体脱感作(事前に高濃度のリガンドに曝露されるとシグナル伝達のアプトプットを減らす過程)を受ける。このような脱感作は、なぜリンパ球が2つのシグナル間の中間的位置を取ることはなく、むしろ2つのシグナルの間で周期的に変動するのかを説明する。S1P受容体1(S1PR1)の脱感作はGPCRキナーゼ2(GRK2)によって仲介される。リンパ球においてGRK2を欠失させると、血管内の高濃度S1Pによる脱感作に支障を来たし、それによってケモカインシグナルへの応答性が低下して、細胞が血管内に捕捉される。S1PR1の脱感作動態は、血管とリンパ組織の両方の区画の位置情報は静的であるにもかかわらず、リンパ球の血管とリンパ組織の間のダイナミックな往復を可能にする。
A. Eichner, M. Sixt, Setting the Clock for Recirculating Lymphocytes. Sci. Signal. 4, pe43 (2011).