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はじめてのスフィンゴシン1-リン酸受容体の構造

Structure of the First Sphingosine 1-Phosphate Receptor

Perspectives

Sci. Signal., 22 May 2012
Vol. 5, Issue 225, p. pe23
[DOI: 10.1126/scisignal.2003160]

Abby L. Parrill1*, Santiago Lima2, and Sarah Spiegel2*

1 Department of Chemistry, The University of Memphis, 213 Smith Chemistry Building, Memphis, TN 38152, USA.
2 Department of Biochemistry and Molecular Biology, Virginia Commonwealth University (VCU) School of Medicine, 1101 East Marshall Street, Richmond, VA 23298, USA.

* Corresponding authors. E-mail: aparrill@memphis.edu (A.L.P.); sspiegel@vcu.edu (S.S.)

要約:スフィンゴシン1-リン酸受容体1(S1P1)とそのリガンドであるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)は、現在、リンパ球の輸送、血管の発生と保全、および免疫のきわめて重要な調節因子であることが今ではわかっている。S1P1は、多発性硬化症の治療薬として承認されているフィンゴリモドのリン酸化産物の標的となる。ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体の構造生物学が近年進歩したことによって、現在では、S1P1の構造の解明が可能になってきた。構造解析、構造活性および変異体解析によって、S1Pやアゴニストの結合に関連する重要な相互作用が明らかになり、細胞膜内での側方拡散によってリガンドが結合ポケットに接近する可能性が示唆された。S1P1の結晶構造は、S1P1を特異的な標的とするリガンドの設計に役立つであろう。

A. L. Parrill, S. Lima, S. Spiegel, Structure of the First Sphingosine 1-Phosphate Receptor. Sci. Signal. 5, pe23 (2012).

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