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チャネルのアロステリック性の再検討:IP3およびリアノジン受容体の緊密な関係にある機構

Revisiting Channel Allostery: A Coherent Mechanism in IP3 and Ryanodine Receptors

Perspectives

Sci. Signal., 22 May 2012
Vol. 5, Issue 225, p. pe24
[DOI: 10.1126/scisignal.2003148]

Kozo Hamada* and Katsuhiko Mikoshiba*

Laboratory for Developmental Neurobiology, Brain Science Institute, RIKEN, 2-1 Hirosawa, Wako, Saitama 351-0198, Japan.

* Corresponding authors. E-mail: hamada@brain.riken.jp (K.H.); mikosiba@brain.riken.jp (K.M.)

要約:イノシトール1,4,5-トリスリン酸(IP3)受容体は、細胞内IP3-カルシウムイオン(Ca2+)シグナル伝達を媒介するIP3依存性Ca2+チャネルである。しかし、IP3がどのようにしてIP3受容体内のCa2+チャネルを開閉するのかという基本的な問題は、未解決のままである。IP3受容体のN末端領域の新たな結晶構造から、リガンド結合によりアロステリックな変化が生じること、またこの構造とリアノジン受容体の対応領域との類似性が明らかになった。結晶構造の電子顕微鏡マップへの当てはめとIP3受容体-リアノジン受容体のキメラによって、これらの受容体における開閉機構の緊密な関係が支持された。IP3-結合部位とCa2+チャネルが遠く離れているという興味深い特性は、チャネルの開閉に際してこれらの部位の間で長距離のアロステリック共役が起こることを示唆する。これらの結果は、IP3受容体とリアノジン受容体に関する従来の知識の統合を助け、さらには開閉機構を理解するための新たな枠組みを提供する。

K. Hamada, K. Mikoshiba, Revisiting Channel Allostery: A Coherent Mechanism in IP3 and Ryanodine Receptors. Sci. Signal. 5, pe24 (2012).

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