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ソニック・ヘッジホッグはGiタンパク質へのスムーズンドの共役を介して、Gli非依存的にGTPaseのRac1とRhoAを活性化する

Sonic Hedgehog Activates the GTPases Rac1 and RhoA in a Gli-Independent Manner Through Coupling of Smoothened to Gi Proteins

Presentations

Sci. Signal., 22 November 2011
Vol. 4, Issue 200, p. pt7
[DOI: 10.1126/scisignal.2002396]

Ariel H. Polizio1, Pilar Chinchilla1, Xiaolen Chen1, David R. Manning2, and Natalia A. Riobo1,3*

1 Department of Biochemistry and Molecular Biology, Thomas Jefferson University, Philadelphia, PA 19107, USA.
2 Department of Pharmacology, University of Pennsylvania School of Medicine, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Kimmel Cancer Center, Thomas Jefferson University, Philadelphia, PA 19107, USA.

A Presentation from the 1st International HEALING Meeting: Hh-Gli Signaling in Development, Regeneration and Disease, Kolymbari, Crete, 23 to 25 June 2011.

* Presenter and corresponding author. E-mail: natalia.riobo@jefferson.edu

要約:脊椎動物のヘッジホッグ(Hh)経路は、発生および正常な生理状態における組織恒常性に不可欠な働きをしており、この経路の機能調節不全はがんにおいて共通のテーマである。Hhリガンド(Sonic Hh、Indian Hh、Desert Hh)が受容体であるPatched 1やPatched 2に結合すると、スムーズンド(Smoothened; Smo)に対するその阻害作用が抑制される。Smoは7回膜貫通型タンパク質であり、ヘテロ三量体のグアニンヌクレオチド結合タンパク質Giに対して高い特異性を有するGタンパク質共役受容体(GPCR)として機能することが、つい最近になって示された。SmoはGiを活性化するのに加えて、そのC末端テールを介してFusedの抑制因子(Suppressor of Fused)を阻害し、それによって転写因子Gliファミリーの安定化と活性化をもたらす。この転写因子はいわゆる「標準的Hhシグナル伝達(canonical Hh signaling)」経路に対する転写応答を実行する。このPresentationでは、Gli転写活性とは無関係な、すなわち「非標準的(noncanonical)」と定義されるHhシグナル伝達の2つの結果について説明する。1つの結果はるSmoのGiタンパク質への共役に依存し、低分子量グアノシントリホスファターゼ(GTPase)であるRhoAとRac1を介してアクチン細胞骨格を変化させるというものである。このような細胞骨格の変化によって、線維芽細胞の遊走および内皮細胞の管腔形成が促進される。もう1つの非標準的なHh経路を介するシグナル伝達は、Smoには依存せず、Patched1誘導性の細胞死を抑制する。

A. H. Polizio, P. Chinchilla, X. Chen, D. R. Manning, N. A. Riobo, Sonic Hedgehog Activates the GTPases Rac1 and RhoA in a Gli-Independent Manner Through Coupling of Smoothened to Gi Proteins. Sci. Signal. 4, pt7 (2011).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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