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糖尿病の管理に対する急性および慢性のストレスの影響

The Effects of Acute and Chronic Stress on Diabetes Control

Presentations

Sci. Signal., 23 October 2012
Vol. 5, Issue 247, p. pt10
[DOI: 10.1126/scisignal.2003508]

M. Loredana Marcovecchio and Francesco Chiarelli*

Department of Paediatrics, University of Chieti, Chieti 66013, Italy.

A Presentation from the European Society for Paediatric Endocrinology (ESPE) New Inroads to Child Health (NICHe) Conference on Stress Response and Child Health in Heraklion, Crete, Greece, 18 to 20 May 2012.

* Presenter and corresponding author. E-mail: chiarelli@unich.it

要約:ストレスはヒトの病的状態に対する重要な寄与因子である。急性および慢性のストレスの状況において起こるホルモンの変化は、健常者と糖尿病患者のいずれにおいてもグルコース恒常性に影響を及ぼすことがある。いくつかの研究で、1型および2型糖尿病患者において急性ストレスが血中グルコース濃度の維持に及ぼす負の影響が報告された。糖尿病の人における血糖値コントロールに対するストレスの影響は、ストレスホルモンの血中グルコース濃度に対する直接的な影響と、糖尿病の治療とモニタリング、ならびに食事・運動プランに関連する患者の行動に対するストレスの間接的な影響と関連しているかもしれない。対照的に、ストレスの多い生活上の出来事が小児または成人における糖尿病の発症を促進するというはっきりした証拠はない。ストレス性高血糖、すなわち急性疾患時における高血糖の発症は、ストレス系とグルコース恒常性の間の別の興味深い関連を表している。多くの証拠から、重篤患者においてストレス性高血糖と罹患率および死亡率の増加の間の関連性が支持される。興味深いことに、集中治療室に入った患者において、インスリンが罹患率および死亡率を低下させる有益な効果を有することを裏付ける証拠がある。最後に、ストレスは、肥満とメタボリックシンドロームを促進することによって、2型糖尿病の発症に間接的に影響を及ぼすことがある。

M. L. Marcovecchio, F. Chiarelli, The Effects of Acute and Chronic Stress on Diabetes Control. Sci. Signal. 5, pt10 (2012).

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