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リソソームからファゴソームへの標的化の研究に用いる無細胞シンチレーション近接アッセイ

A Cell-Free Scintillation Proximity Assay for Studies on Lysosome-to-Phagosome Targeting

Protocols

Sci. STKE, 26 June 2007 Vol. 2007, Issue 392, p. pl3
[DOI: 10.1126/stke.3922007pl3]

Vishal Trivedi1,†, Shao Chong Zhang2,†, Walter Stockinger3, and Axel Nohturfft2*

1Molecular Oncology Research Institute, Tufts-New England Medical Center, Boston, MA 02111, USA.
2Department of Molecular and Cellular Biology, Biological Laboratories, Harvard University, 16 Divinity Avenue, Cambridge, MA 02138, USA.
3Max F. Perutz Laboratories, Dr. Bohr Gasse 3/2, 1030 Vienna, Austria.
†These authors contributed equally to this work.
*Corresponding author. E-mail, axno@mcb.harvard.edu

要約 : マクロファージ、好中球、樹状細胞のような食細胞は、侵入してくる微生物を飲み込み、殺し、消化する能力を通して、自然免疫系において重要な役割を果たす。免疫グロブリンG(IgG)抗体が基質を被覆すると、体液性適応免疫系と協力して、細胞表面IgG(Fcγ)受容体による基質認識、粒子の取り込み、殺菌性活性酸素種の産生、リソソームのファゴソームへの標的化といった、食作用の複数の機能が促進される。今回我々は、リソソームのファゴソームへの標的化の機構、ならびにIgGによるこの過程の調節に関して研究するために開発された無細胞シンチレーション近接アッセイ(cell-free scintillation proximity assay)について述べる。この手法では、シンチレーション性のラテックスビーズを含む単離ファゴソームとトリチウム化マーカーで標識されたリソソームが使用される。シンチレーションはリソソームとファゴソームが直接接触する場合にだけ起こり、アデノシン三リン酸とサイトゾルを補充した反応液が必要である。IgGで処理した細胞に由来するサイトゾルが追加されるとこの信号が増幅される。この方法は、リソソームとファゴソームの相互作用における初期の繋留(tethering)段階およびドッキング段階の生化学および調節の研究に有用である。

V. Trivedi, S. C. Zhang, W. Stockinger, A. Nohturfft, A Cell-Free Scintillation Proximity Assay for Studies on Lysosome-to-Phagosome Targeting. Sci. STKE 2007, pl3 (2007).

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