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ハイスループットスクリーニング技術とコンピュータ支援画像解析を組み合わせたシグナル伝達イベントの解析

Analysis of Signaling Events by Combining High-Throughput Screening Technology with Computer-Based Image Analysis

Protocols

Sci. Signal., 16 September 2008
Vol. 1, Issue 37, p. pl2
[DOI: 10.1126/scisignal.137pl2]

Mohamed Kodiha1, Claire M. Brown2, and Ursula Stochaj1*

1 Department of Physiology, McGill University, Montreal, Quebec H3G 1Y6, Canada.
2 Department of Biochemistry and Life Sciences Complex Imaging Facility, McGill University, Montreal, Quebec H3G 1Y6, Canada.
* Corresponding author: E-mail, ursula.stochaj@mcgill.ca

要約 : 細胞内シグナル伝達および細胞間情報伝達は多数のシグナル伝達イベントの協調に依存している。この大量情報の流れは空間的にも時間的にも適切に組織化されていなければならない。その全過程に共通かつ重要な細胞の最終応答は、シグナル伝達構成要素とその標的が空間的に正しく分布することである。この基本概念は、シグナル伝達過程の多くに適用される。シグナル伝達分子の異なる細胞区画における局在を定量化し、わずかな変化を検知したり、後続イベントの開始に必要な特定部位におけるシグナル伝達分子レベルの閾値を明らかにすることは、しばしば重要となる。とくに重要なのが、核内イベントと細胞質内イベントを分離することであり、各イベントのシグナル伝達への寄与を測定するためには感度の高い手法が必要である。本稿で報告する手法は、核内、細胞質内、または核膜に局在する蛍光シグナルの定量化を可能にする。この手法では、ハイスループット画像装置、共焦点顕微鏡、および対象区画内の蛍光強度を測定するソフトウェアモジュールを使用する。本稿では、画像取得に適した装置と、異なる細胞区画内の蛍光を定量化するのに適したソフトウェアモジュールの選択について、その論理的根拠について論じる。当初、高速画像取得を可能にするハイスループット技術はマルチウェルプレート用に開発された。筆者は、このハイスループット技術をカバーガラス上で増殖する細胞の画像取得に応用した。共焦点顕微鏡により、さらに高度なZ軸空間解像度を持つ画像が得られた。後に続く解析作業のためにも、高速で信頼できる蛍光強度の定量化に適したソフトウェアモジュールを選択することは非常に重要である。

M. Kodiha, C. M. Brown, U. Stochaj, Analysis of Signaling Events by Combining High-Throughput Screening Technology with Computer-Based Image Analysis. Sci. Signal. 1, pl2 (2008).

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