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ゲノムからキノームへ:キノーム解析のための種特異的ペプチドアレイ

Genome to Kinome: Species-Specific Peptide Arrays for Kinome Analysis

Protocols

Sci. Signal., 20 January 2009
Vol. 2, Issue 54, p. pl1
[DOI: 10.1126/scisignal.254pl1]

Shakiba Jalal1,2, Ryan Arsenault1,2, Andrew A. Potter1, Lorne A. Babiuk3, Philip J. Griebel1, and Scott Napper1*

1 Vaccine and Infectious Disease Organization, University of Saskatchewan, Saskatoon, Saskatchewan S7N 5E3, Canada.
2 Department of Biochemistry, University of Saskatchewan, Saskatoon, Saskatchewan S7N 5E5, Canada.
3 University of Alberta, Edmonton, Alberta T6G 2J9, Canada.
* Corresponding author. E-mail, scott.napper@usask.ca

要約 : 多くの生物種に関して、ハイスループットなキノーム解析を行うためのツールはまだ存在しない。たとえば、リン酸化イベントを観察する技術として、リン酸化特異的抗体とペプチドアレイの2つが一般的に用いられる。多くのリン酸化特異的抗体はヒトまたはマウスを標的としており、ペプチドアレイの構築はヒトとマウスのデータに偏ったリン酸化データベースからの情報に基づいている。マウス以外の多くの動物種が重要な生物学的モデルであるので、この偏りは大きな障害である。リン酸化イベントが、タンパク質内の相対的位置とその生物学的機能に関して多くの生物種で保存されていることに基づき、我々は、他種におけるリン酸化イベントの配列関係をキノーム解析用のペプチドアレイの作製のために予測することが可能であると実証した。このようなアプローチによって、ゲノム情報を迅速に用いて、ハイスループットキノーム解析のための安価でカスタマイズできる種特異的ペプチドアレイを作製することができる。このようなアレイは、生物学的応答の種を超えた保存性の検討、疾患の動物モデルの妥当性の評価、および研究から臨床への応用にとって価値があると思われる。

S. Jalal, R. Arsenault, A. A. Potter, L. A. Babiuk, P. J. Griebel, S. Napper, Genome to Kinome: Species-Specific Peptide Arrays for Kinome Analysis. Sci. Signal. 2, pl1 (2009).

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