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動物のグルタミン酸受容体の植物ホモログは複数の疎水性アミノ酸により開口するイオンチャネルである
A Plant Homolog of Animal Glutamate Receptors Is an Ion Channel Gated by Multiple Hydrophobic Amino Acids
Sci. Signal., 11 June 2013
Vol. 6, Issue 279, p. ra47
[DOI: 10.1126/scisignal.2003762]
Daniel Tapken1*, Uta Anschütz2, Lai-Hua Liu3, Thomas Huelsken1, Guiscard Seebohm1, Dirk Becker2, and Michael Hollmann1*
1 Department of Biochemistry I—Receptor Biochemistry, Ruhr University Bochum, Universitätsstraße 150, 44780 Bochum, Germany.
2 Molecular Plant Physiology and Biophysics, University of Würzburg, Julius-von-Sachs-Platz 2, 97082 Würzburg, Germany.
3 Department of Plant Nutrition, College of Resources and Environmental Sciences, China Agricultural University, Beijing 100193, China.
* Corresponding author. E-mail: daniel.tapken@rub.de (D.T.); michael.hollmann@rub.de (M.H.)
要約:イオンチャネル型グルタミン酸受容体(iGluRs)はリガンド開口型カチオンチャネルであり、動物の神経系において神経伝達を媒介している。植物の相同タンパク質は、根の生育、イオン輸送、およびいくつかの代謝とシグナル伝達経路に関与している。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来の植物性iGluRホモログであるAtGLR3.4は、イオンチャネル活性をもち、アスパラギン、セリン、およびグリシンによって開口する。アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞における異種発現を用い、別のシロイヌナズナ(Arabidopsis)iGluRホモログであるAtGLR1.4が、いずれも動物のiGluRのアゴニストではない幅広いアミノ酸にも応答する、リガンド開口型・非選択的・Ca2+透過性のカチオンチャネルとして働くことをわれわれは明らかにした。20種類の標準的アミノ酸のうち7種類(主には疎水性)がアゴニストとして働き、そのうちメチオニンが最も有効かつ強力であった。9種類のアミノ酸はアンタゴニストで、そのうちグルタミンとグリシンなど4種類はチャネル活性に影響を与えなかった。われわれは、これまで特性が不明であったこのリガンド特異性のモデルを構築し、ノックアウト変異体を用いて、AtGLR1.4がシロイヌナズナ(Arabidopsis)葉においてメチオニン誘発性の膜脱分極を担っていることを明らかにした。
D. Tapken, U. Anschütz, L.-H. Liu, T. Huelsken, G. Seebohm, D. Becker, M. Hollmann, A Plant Homolog of Animal Glutamate Receptors Is an Ion Channel Gated by Multiple Hydrophobic Amino Acids. Sci. Signal. 6, ra47 (2013).