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受容体アンタゴニストにより明らかにされるI型インターフェロンの多面的活性
Multifaceted Activities of Type I Interferon Are Revealed by a Receptor Antagonist
Sci. Signal., 27 May 2014
Vol. 7, Issue 327, p. ra50
[DOI: 10.1126/scisignal.2004998]
Doron Levin1, William M. Schneider2, Hans-Heinrich Hoffmann2, Ganit Yarden1, Alberto Giovanni Busetto3, Ohad Manor4, Nanaocha Sharma1, Charles M. Rice2, and Gideon Schreiber1*
1 Department of Biological Chemistry, Weizmann Institute of Science, Rehovot 76100, Israel.
2 Laboratory of Virology and Infectious Disease, Center for the Study of Hepatitis C, The Rockefeller University, New York, NY 10065, USA.
3 Automatic Control Laboratory, ETH Zurich, 8092 Zurich, Switzerland.
4 Department of Genome Sciences, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.
* Corresponding author. E-mail: gideon.schreiber@weizmann.ac.il
要約
インターフェロン(IFN)-αの種々のアイソフォームおよびIFN-βを含むI型IFNは、相同性をもつ多機能性サイトカインのファミリーである。IFNはIFNAR1およびIFNAR2という2つのサブユニットからなる共通の受容体に結合することで、多様な細胞応答を活性化する。IFNは抗ウイルス応答を刺激することに加え、細胞増殖を阻害し、他の免疫応答も調節している。われわれは、IFNAR2に強く結合するがIFNAR1への結合性は顕著に低いIFN-α2変異体(IFN-1ant)を含めた、種々のIFNの特徴を明らかにした。IFN-1anは様々な細胞株において抗ウイルス活性を刺激したが、免疫調節作用および抗増殖作用は誘発しなかった。試験した種々のIFNの抗ウイルス活性は、標準的IFN応答エレメントにより制御される一連のIFN感受性遺伝子(「ロバスト」遺伝子)に依存し、低濃度のIFNに応答した。反対にこれらのエレメントは、IFNの抗増殖反応に必要な遺伝子(「チューナブル」遺伝子)のプロモーターには認められなかった。チューナブル遺伝子の発現の程度は細胞種特異的であり、種々のIFNの抗増殖作用の大きさと相関していた。IFN-1antは、5種類の異なる細胞株においてロバスト遺伝子の発現を同程度誘発したが、その抗ウイルス活性はウイルス特異的かつ細胞種特異的であった。われわれの所見は、IFN-1antが、野生型IFNのもつ免疫調節機能および抗増殖機能を誘発しない、特定のウイルス感染に対する候補治療薬になりえることを示唆している。
D. Levin, W. M. Schneider, H.-H. Hoffmann, G. Yarden, A. G. Busetto, O. Manor, N. Sharma, C. M. Rice, G. Schreiber, Multifaceted Activities of Type I Interferon Are Revealed by a Receptor Antagonist. Sci. Signal. 7, ra50 (2014).