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3色FRET解析はWIP-WASpアクチン制御複合体のコンフォメーション変化を明らかにする

Triple-Color FRET Analysis Reveals Conformational Changes in the WIP-WASp Actin-Regulating Complex

Research Article

Sci. Signal., 24 June 2014
Vol. 7, Issue 331, p. ra60
[DOI: 10.1126/scisignal.2005198]

Sophia Fried1*, Barak Reicher1*, Maor H. Pauker1, Shani Eliyahu1, Omri Matalon1, Elad Noy1, Jordan Chill2, and Mira Barda-Saad1†

1 The Mina and Everard Goodman Faculty of Life Sciences, Bar-Ilan University, Ramat-Gan 5290002, Israel.
2 Department of Chemistry, Faculty of Exact Sciences, Bar-Ilan University, Ramat-Gan 5290002, Israel.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: mira.barda-saad@biu.ac.il

要約

ウィスコット-アルドリッチ症候群タンパク質(WASp)は、アクチン細胞骨格装置の鍵となる制御因子である。WASp相互作用タンパク質(WIP)のWASpへの結合は、WASp活性を変化させ、分解からWASpを保護する。WIP-WASp複合体の形成は、獲得免疫応答に極めて重要である。われわれは、WIPとWASpが細胞において異なる2つの分子界面を介して相互作用することを見いだした。1つの相互作用は、WASpのWASp相同性-1(WH1)ドメインとWIPのカルボキシル末端ドメイン間で起こり、T細胞受容体の活性化に応答してプロテインキナーゼCθ(PKCθ)によりリン酸化されるWIPのリン酸化状態に依存していた。もう1つの相互作用は、WASpのverprolin相同性、中央疎水領域および酸性領域(VCA)ドメインとWIPのアミノ末端ドメイン間で起こった。この後者の相互作用は、アクチンモノマーを捕捉するラトランクリンAにより阻害されたことからアクチンを必要としていた。3色蛍光共鳴エネルギー移動(3FRET)技術を用いて、われわれは、WASpの活性化機構が1つ目の相互作用の解離を伴うのに対し、2つ目の相互作用はそのままであることを示した。このコンフォメーションは、WASp上にユビキチン化部位を晒し、WASpの分解を導いた。合わせると、これらのデータから、WASpの活性化および分解は精密に均衡化され、WIPのリン酸化状態に依存することが示唆された。われわれのWIP-WASp相互作用の分子解析は、アクチン依存過程の制御に関する洞察を与えた。

S. Fried, B. Reicher, M. H. Pauker, S. Eliyahu, O. Matalon, E. Noy, J. Chill, M. Barda-Saad, Triple-Color FRET Analysis Reveals Conformational Changes in the WIP-WASp Actin-Regulating Complex. Sci. Signal. 7, ra60 (2014).

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