- ホーム
- 膜タンパク質Pannexin1は活性化様式に応じて2つのチャネル開状態の立体構造をとる
膜タンパク質Pannexin1は活性化様式に応じて2つのチャネル開状態の立体構造をとる
The membrane protein Pannexin1 forms two open-channel conformations depending on the mode of activation
Sci. Signal., 22 July 2014
Vol. 7, Issue 335, p. ra69
DOI: 10.1126/scisignal.2005431
Junjie Wang1, Cinzia Ambrosi2, Feng Qiu1, David G. Jackson1, Gina Sosinsky2,3, and Gerhard Dahl1,*
1 Department of Physiology and Biophysics, University of Miami School of Medicine, Miami, FL 33136, USA.
2 National Center for Microscopy and Imaging Research, Center for Research in Biological Systems, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093-06083, USA.
3 Department of Neurosciences, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093-06083, USA.
* Corresponding author. E-mail: gdahl@miami.edu
要約
Pannexin1(Panx1)は、自然免疫応答、気道上皮の繊毛拍動、脈管構造の酸素供給など、アデノシン三リン酸(ATP)の放出に関わるいくつかのシグナル伝達イベントに関与している。Panx1が大きなATP放出チャネルを形成するという考え方には、コンダクタンスの低い小さな陰イオン選択性チャネルとPanx1の存在との関連という問題が立ちはだかっている。われわれは、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞で異種発現させた場合に膜チャネルのPanx1がコンダクタンスと透過性の異なる2つの機序で機能しうることを示した。カリウムイオン(K+)によって刺激されると、Panx1はATP透過性を示す約500 pSという高いコンダクタンスのチャネルを形成した。いくつかの細胞種類では、さまざまな生理学的刺激によって、このATP透過性の立体構造を誘導することができた。対照的に、K+非存在下で電位によって活性化させると、チャネルは約50 pSという低いコンダクタンスを示し、ATP透過性は検出されなかった。この2つのチャネル状態は、Panx1の末端システインのチオール試薬に対する反応が異なっていたことから、立体構造が異なることが示唆される。電子顕微鏡による単粒子解析では、K+は、K+非存在下で形成されるチャンネルよりも直径の大きな膜孔をもつチャネルの形成を刺激することが明らかになった。これらのデータは、異なる刺激によって異なる生物物理学的特性をもつ異なるチャネル構造が形成されることを示している。
J. Wang, C. Ambrosi, F. Qiu, D. G. Jackson, G. Sosinsky, and G. Dahl, The membrane protein Pannexin1 forms two open-channel conformations depending on the mode of activation. Sci. Signal. 7, ra69 (2014).