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β2インテグリンによって刺激されるシグナル伝達ネットワークが細胞傷害性細胞における溶解性顆粒の極性化を促進する
A signaling network stimulated by β2 integrin promotes the polarization of lytic granules in cytotoxic cells
Sci. Signal., 7 October 2014
Vol. 7, Issue 346, p. ra96
DOI: 10.1126/scisignal.2005629
Minggang Zhang1, Michael E. March1,*, William S. Lane2, and Eric O. Long1,†
1 Laboratory of Immunogenetics, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Rockville, MD 20852, USA.
2 Mass Spectrometry and Proteomics Resource Laboratory, FAS Center for Systems Biology, Harvard University, Cambridge, MA 02138, USA.
† Corresponding author. E-mail: eLong@nih.gov
* Present address: Center for Applied Genomics, The Children's Hospital of Philadelphia, Philadelphia, PA 19104, USA.
要約 細胞傷害性リンパ球は、細胞内パーフォリン含有顆粒の内容物の極性化された放出を介して、標的細胞を殺傷する。ナチュラルキラー(NK)細胞では、β2インテグリンが細胞間接着分子ファミリーのメンバーと結合することによって、NK細胞の標的細胞への接着だけでなく、細胞内溶解性顆粒の標的への極性化も、十分に促進される。われわれは、脱顆粒を介する放出の非存在下で溶解性顆粒の極性化を検討できるように、また、他の受容体からのインサイドアウトシグナルとは独立してβ2インテグリンシグナル伝達を検討できるように設計した実験系において、NK細胞を用いた。プロテオミクスの手法を用いて、顆粒と微小管形成中心(MTOC)の極性化に必要なインテグリン結合キナーゼ(ILK)-Pyk2-パキシリンコアを中心とする、シグナル伝達ネットワークを同定した。細胞極性を制御する保存されたCdc42-Par6シグナル伝達経路も、ILKによって活性化され、顆粒の標的細胞への極性化に必要であった。極性化に必要なシグナル伝達成分の一部は、顆粒のMTOCへの集合にも関与した。これらの結果から、β2インテグリンの結合によって刺激され、MTOCとそれに関連する溶解性顆粒の標的細胞との接触部位への極性化を制御して、細胞の細胞傷害性を仲介する、接続された2つのシグナル伝達ネットワークが描かれる。
M. Zhang, M. E. March, W. S. Lane, and E. O. Long, A signaling network stimulated by β2 integrin promotes the polarization of lytic granules in cytotoxic cells. Sci. Signal. 7, ra96 (2014).