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近接ライゲーションアッセイを用いたEGFRシグナル伝達会合タンパク質複合体によるヒトがんのアノテーション

Annotation of human cancers with EGFR signaling–associated protein complexes using proximity ligation assays

Research Article

Sci. Signal., 13 January 2015
Vol. 8, Issue 359, p. ra4
DOI: 10.1126/scisignal.2005906

Matthew A. Smith1, Richard Hall2, Kate Fisher3, Scott M. Haake2, Farah Khalil4, Matthew B. Schabath5, Vincent Vuaroqueaux6, Heinz-Herbert Fiebig6, Soner Altiok4, Yian Ann Chen3, and Eric B. Haura1,*

1 Department of Thoracic Oncology, H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
2 Graduate Medical Education, H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
3 Department of Biostatistics, H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
4 Department of Pathology, H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
5 Department of Cancer Epidemiology, H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
6 Oncotest GmbH, Am Flughafen 12-14, 79108 Freiburg, Germany.

* Corresponding author. E-mail: eric.haura@moffitt.org

要約 機能性のシグナル伝達関連タンパク質複合体を測定する戦略は、ジェノタイピングおよび発現プロファイリンなど、疾患のアノテーションに用いられる現在の分子バイオマーカーアッセイを強化する可能性がある。上皮増殖因子受容体(EGFR)シグナル伝達の異常活性化は多様ながんに寄与している。我々は、EGFRの主要なシグナル伝達アダプターである増殖因子受容体結合タンパク質-2(GRB2)と複合体を形成しているEGFRを検出するため、近接ライゲーションアッセイ(PLA)を用いた。EGFR:GRB2 PLAを作製して特徴を明らかにし、このアッセイを確立済みのEGFRシグナル伝達の生化学的指標と関連付けるため、複数の肺がん細胞株を用いた。マウスに患者由来異種移植片を用いたパネルにおいて、EGFR:GRB2 PLAの強度は、EGFR阻害薬であるセツキシマブに応答した腫瘍サイズの縮小と相関していた。3つの肺がん患者コホートから採取した腫瘍生検において、EGFR:GRB2 PLA陽性はEGFR変異をもつ患者ともたない患者の両方で認められ、EGFR阻害薬投与コホートにおけるEGFR:GRB2 PLAの強度は全生存率を予測していた。このように我々は、患者由来の材料におけるEGFRシグナル伝達関連タンパク質複合体の測定のための、PLAの実行可能性を確立した。このことは、受容体チロシンキナーゼおよびその他の主要なシグナル伝達分子の幅広いアレイに、同様のアッセイを利用できる可能性を示唆している。

M. A. Smith, R. Hall, K. Fisher, S. M. Haake, F. Khalil, M. B. Schabath, V. Vuaroqueaux, H.-H. Fiebig, S. Altiok, Y. A. Chen, and E. B. Haura, Annotation of human cancers with EGFR signaling-associated protein complexes using proximity ligation assays. Sci. Signal. 8, ra4 (2015).

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