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多発性硬化症のマウスモデルにおけるp38α–MKP-1シグナル伝達軸によるIL-17受容体シグナル伝達および組織の炎症の制御

Control of IL-17 receptor signaling and tissue inflammation by the p38α–MKP-1 signaling axis in a mouse model of multiple sclerosis

Research Article

Sci. Signal., 3 March 2015
Vol. 8, Issue 366, p. ra24
DOI: 10.1126/scisignal.aaa2147

Gonghua Huang1,2,*, Yanyan Wang1,*, Peter Vogel3, and Hongbo Chi1,†

1 Department of Immunology, St. Jude Children’s Research Hospital, Memphis, TN 38105, USA.
2 Shanghai Institute of Immunology, Shanghai Jiao Tong University School of Medicine, Shanghai 200025, China.
3 Department of Pathology, St. Jude Children’s Research Hospital, Memphis, TN 38105, USA.

† Corresponding author. E-mail: hongbo.chi@stjude.org

* These authors contributed equally to this work.

要約  炎症促進性サイトカインのインターロイキン-17(IL-17)を分泌する、CD4+T細胞のサブセットであるTヘルパー17(TH17)細胞は、自己免疫疾患の発病に重要な役割を果たしている。われわれは、誘導性の組織特異的欠失システムを使用することにより、TH17細胞誘導性の組織炎症の媒介に、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)p38αが時間特異的かつ組織特異的な役割をもつことを示した。ヒト多発性硬化症のモデルとしてマウスに実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を発現させた後、Mapk14(p38αをコードしている)の欠失を誘導したところ、マウスは炎症から保護された。さらに、アストロサイトなどの神経外胚葉由来細胞においてp38αを特異的に欠失させたマウスでは、EAEの重症度が顕著に軽減し、この作用は、免疫細胞によるサイトカイン産生の欠損、並びに標的組織への浸潤の低下と関連していた。p38αは、IL-17受容体(IL-17R)のシグナル伝達を、炎症促進性のケモカインおよびサイトカインをコードする遺伝子の発現に結び付けていた。p38αの阻害因子であるMAPKホスファターゼ1(MKP-1)を欠損しているマウスは、EAEが増悪し、IL-17R依存性遺伝子の発現が亢進していた。われわれの結果は、p38α–MKP-1シグナル伝達軸が、組織に常在する細胞におけるIL-17Rシグナル伝達を、浸潤性のTH17細胞に依存した自己免疫性炎症と結び付けることを示唆している。

Citation: G. Huang, Y. Wang, P. Vogel, and H. Chi, Control of IL-17 receptor signaling and tissue inflammation by the p38α–MKP-1 signaling axis in a mouse model of multiple sclerosis. Sci. Signal. 8, ra24 (2015).

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