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Gタンパク質共役受容体である嗅覚受容体のサブセットによるケタミンの分子認識

Molecular recognition of ketamine by a subset of olfactory G protein–coupled receptors

Research Article

Sci. Signal., 31 March 2015
Vol. 8, Issue 370, p. ra33
DOI: 10.1126/scisignal.2005912

Jianghai Ho1,*, Jose Manuel Perez-Aguilar2,*,†, Lu Gao2,*, Jeffery G. Saven2, Hiroaki Matsunami1,3, and Roderic G. Eckenhoff4,‡

1 Department of Molecular Genetics and Microbiology, and Department of Neurobiology, Duke University, Durham, NC 27710, USA.
2 Department of Chemistry, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Duke Institute for Brain Sciences, Duke University, Durham, NC 27710, USA.
4 Department of Anesthesiology and Critical Care, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.

‡ Corresponding author. E-mail: Roderic.Eckenhoff@uphs.upenn.edu

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Physiology and Biophysics, Weill Cornell Medical College, New York, NY 10065, USA.

要約 ケタミンは、鎮静作用、鎮痛作用、全身麻酔作用、抗うつ作用などのさまざまな神経薬理学的作用を誘発する。われわれは、in vitroでのスクリーニングによって、ケタミンに応答する4つのマウス嗅覚受容体(OR)を同定した。これらのGタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体(GPCR)は、嗅上皮に存在するだけでなく、中枢神経系の至る所に分布している。ケタミンとORの相互作用の分子基礎をより深く理解するために、われわれは、配列比較と分子モデリングを用いて、(i)ケタミンに応答する受容体のケタミン応答性を増大、減少、または無効化した変異体と、(ii)ケタミンに応答しない受容体にケタミン応答性を与えた変異体をデザインした。われわれは、特徴的なORを発現する嗅覚ニューロン(OSN)がin vivoでケタミンに応答することを示したが、これは、ORがケタミンの機能上の標的として機能しているかもしれないことを示唆している。GPCRのケタミンに対する応答性を無効化も導入もできる能力のおかげで、われわれは、結合部位に特徴的な相互作用座位を同定し確認することができた。これは、この全身麻酔薬に反応する別の受容体を探索するうえで指針になるような特徴的なケタミン結合ポケットを示したことになる。

J. Ho, J. M. Perez-Aguilar, L. Gao, J. G. Saven, H. Matsunami, and R. G. Eckenhoff, Molecular recognition of ketamine by a subset of olfactory G protein-coupled receptors. Sci. Signal. 8, ra33 (2015).

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