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一酸化窒素とS-ニトロシル化による脳グルタミン酸代謝の調節

Regulation of brain glutamate metabolism by nitric oxide and S-nitrosylation

Research Article

Sci. Signal. 07 Jul 2015:
Vol. 8, Issue 384, pp. ra68
DOI: 10.1126/scisignal.aaa4312

Karthik Raju1, Paschalis-Thomas Doulias2, Perry Evans3, Elizabeth N. Krizman4, Joshua G. Jackson4, Oksana Horyn5, Yevgeny Daikhin5, Ilana Nissim5, Marc Yudkoff5, Itzhak Nissim5,6, Kim A. Sharp6, Michael B. Robinson1,4,7, and Harry Ischiropoulos1,2,7,*

1 Neuroscience Graduate Group, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
2 Division of Neonatology, Department of Pediatrics, Children’s Hospital of Philadelphia Research Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Department of Biomedical and Health Informatics, Children’s Hospital of Philadelphia Research Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
4 Division of Neurology, Department of Pediatrics, Children’s Hospital of Philadelphia Research Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
5 Division of Genetic and Metabolic Disease, Department of Pediatrics, Children’s Hospital of Philadelphia Research Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
6 Department of Biochemistry and Biophysics, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
7 Department of Systems Pharmacology and Translational Therapeutics, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.

* Corresponding author. E-mail: ischirop@mail.med.upenn.edu

要約  一酸化窒素(NO)は、中枢神経系(CNS)のグルタミン酸作動性神経伝達のシグナル伝達中間体である。NOは翻訳後修飾としてシステインをS-ニトロシル化することによってタンパク質機能とシグナル伝達を調節しており、NOシグナル伝達は部分的にはこの翻訳後修飾を介して達成される。われわれは、生理的条件下のCNSでS-ニトロシル化の標的タンパク質と機能上の影響を調べ、野生型マウス脳では136のタンパク質に269のS-ニトロソシステイン残基を同定した。内皮型一酸化窒素合成酵素欠損型(eNOS−/−)または神経型一酸化窒素合成酵素欠損型(nNOS−/−)マウスの脳では、修飾部位の数は有意に減少した。とくにnNOS−/−型マウスでは、エネルギー供給のためにシナプス性グルタミン酸をリサイクルまたは酸化する代謝過程であるグルタミン酸/グルタミンサイクルに関与するタンパク質のS-ニトロシル化が減少していた。15N-グルタミンに基づく代謝プロファイリングと酵素活性アッセイでは、nNOS−/−型マウス由来の脳抽出物は、他の遺伝子型マウス由来の脳抽出物に比べて、グルタミン酸からグルタミンへの変換が低下し、グルタミン酸の酸化が増加していることが示された。アストロサイトのグルタミン酸輸送体であるGLT1[EAAT2(excitatory amino acid transporter 2、興奮性アミノ酸トランスポーター2)としても知られる]は、野生型およびeNOS−/−型マウスではCys373とCys561がS-ニトロシル化されていたが、nNOS−/−型マウスではS-ニトロシル化されていなかった。S-ニトロシル化剤に曝露させた細胞において、同等の部位をS-ニトロシル化できない変異型ラットGLT1は野生型GLT1よりもグルタミン酸の取り込みが多かった。このようにNOは、グルタミン酸の輸送と代謝を制御するnNOS依存性の選択的S-ニトロシル化を介してグルタミン酸作動性神経伝達を調節する。

Citation: K. Raju, P.-T. Doulias, P. Evans, E. N. Krizman, J. G. Jackson, O. Horyn, Y. Daikhin, I. Nissim, M. Yudkoff, I. Nissim, K. A. Sharp, M. B. Robinson, H. Ischiropoulos, Regulation of brain glutamate metabolism by nitric oxide and S-nitrosylation. Sci. Signal. 8, ra68 (2015).

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